【文豪ストレイドッグス2期 感想】悩むことが生きるということ

文豪ストレイドッグス
星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

今回は『文豪ストレイドッグス』のTVアニメ2期(以下、文スト2期)について語っていく。

『文スト1期』が2016年春クールに放送された後、2016年秋クールに『文スト2期』が放送された。

アニメ制作はボンズが担当している。

目次

『文スト2期』の評価

※ネタバレ注意!

作画80点
世界観・設定80点
ストーリー80点
演出75点
キャラ80点
音楽75点
※個人的な評価です

作画

作画のクオリティは高め。戦闘シーンはもう少しボンズらしさを出してくれると面白いのだけれど、まあ現状でも十分だろう。

世界観・設定

日本国内を飛び出して、海外文豪も登場させてきた。だから良い感じにネタは尽きないな。それとやはり横浜を舞台にしているのが良い。

ストーリー

『文スト1期』では中島敦が主人公だったけれど、『文スト2期』の前半では織田作之助が主人公。そしてこれは実質的に太宰治を深掘りしたストーリーだった。『文スト』に登場するキャラは魅力的なので、それぞれのキャラを深掘りしていくことでストーリーを展開することができる。

演出

演出のクオリティはまずまず。良くも悪くもボンズらしい。個人的にコミカルなシーンの演出が好き。

キャラ

やはりキャラの個性が強い。『文スト2期』では海外作家をモチーフにしたキャラも登場したので、今後も世界各国の文豪が登場することになりそう。そして文豪をモチーフにしているからこそ、キャラも覚えやすい。というか、僕も近代文豪の作品を読みたくなってきた。

音楽

音楽もいい感じ。OP『Reason Living』の疾走感がたまらん。

『文スト2期』の感想

武装探偵社とポートマフィアが共闘

『文スト2期』では、ポートマフィア時代の太宰治が描かれる。どうやら太宰治は超強力な戦闘員だったらしく、経歴も相当黒いのだという。普段はあれだけおちゃらけているのだけれど、本当はめちゃくちゃ強いのだろう。まあたしかに、相手の異能を無効化するというのは、『とある魔術の禁書目録』の上条当麻のようなものだから、能力バトル系作品においてそれなりに強力なのは理解できる。

そして太宰治の過去が描かれた後に、現代の『組合(ギルド)編』に戻る。

『組合編』では、超強力な組合からヨコハマの街を守るために、武装探偵社とポートマフィアが共闘することになる。特に中島敦と芥川龍之介が共闘するシーンは胸熱モノだろう。

そしてこの共闘はつまるところ、武装探偵社とポートマフィアの2つの組織を中心にストーリーが描かれることを意味している。ポートマフィアは敵組織なのだけれど、登場人物の心情の描き方が、あきらかに主要人物なのだ。特に芥川龍之介や中原中也が太宰治に抱く気持ち、それから樋口一葉が芥川龍之介に抱く想いなどが、かなり丁寧に描かれている。

太宰治という登場人物を仲介させながら、ポートマフィアも深掘りしていくのだろう。

悩むことが生きるということなのだ

『文豪ストレイドッグス』のストレイドッグスには、「野良犬」や「捨て犬」という意味がある。『文スト』に登場するキャラの多くは、自身の異能力に悩まされて、生きることに苦しんでいることが多い。特に中島敦、芥川龍之介、泉鏡花はその典型例だろう。

これは、実在した文豪にも似た部分があると思う。彼ら彼女らは”生きる”ということの価値について熟考し、それを小説という形で作品にしてきた。それで大きなストレスを感じたのか、当時の文豪は早死や自殺が多い。

そして僕たちだって他人事ではない。誰もが悩みを抱えていると思うし、それに苦しんでいる。これが深刻化すると「生きる意味ってあるのかな?」という思考に陥ることもある。

でも、これがまさに生きるということなのだ。人間は、地球上に存在する生物の中で唯一”悩むことができる生物”なのである。大いに、悩んでいいのだ。

『文スト2期』でいえば、白鯨の落下を止める際の太宰治や芥川龍之介のセリフが、まさにそれを表している。『文豪ストレイドッグス』は、中々深い作品なのかもしれない。

さいごに

『文スト2期』のあとは劇場版『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』だ。劇場版ということで、ボンズがどれだけの作画力を見せてくれるかが楽しみである。個人的には板野サーカスが見てみたいなぁ。

ということで視聴次第、ブログにしていこうと思う。

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