【はめふら1期感想】悪役令嬢系のウケがいい理由を理解できた

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった……
星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

今回は『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった……(以下、はめふら)』について解説していく。

『はめふら』は”小説家になろう”に投稿されていたWeb小説が原作で、2015年より、一迅社文庫アイリスから文庫版が刊行されている。

そして2020年春クールにTVアニメ1期が放送される。アニメ制作はSILVER LINK.が担当した。

目次

『はめふら1期』の評価

※ネタバレ注意!

作画40点
世界観・設定70点
ストーリー70点
演出40点
キャラ70点
音楽80点
※個人的な評価です

作画

ハッキリ言って作画は良くないだろう。ただしこれは、予算の問題が非常に大きいと思われる。

「決められた予算内できっちり作品を作る能力」に関しては、SILVER LINK.は定評のあるアニメ制作会社だ。実際、上手く誤魔化しながら作っていると思う。

世界観・設定

なんだかんだで初めて悪役令嬢系の作品を視聴した。そして悪役令嬢系と言えば、やはり『はめふら』がまず思いつく。

実際に視聴してみると、悪役令嬢系は、言わば”女性向け異世界転生“ということになると思うけど、『はめふら』の場合、男性視聴者でもハマりやすいポイントが多数あったと感じる。また、乙女ゲームが世界観に組み込まれているため、美少女ゲーム系の作品に慣れている視聴者でもハマりやすい。なろう系のメインターゲットだと思われる30代・40代の男性にも刺さる世界観だ。

ストーリー

ストーリーは、想像以上におもしろかった。作画は微妙だったけれど、ストーリーとキャラの声質が良かったから、最後まで普通に視聴することができたのだと思う。

実際、『はめすら1期』は原作2巻分を1クールでアニメ化しているので、尺にはかなりの余裕がある。『このすば』もそうだけれど、作画がどんなに微妙でも、原作がそれなりにおもしろくて、1クールあたり2巻分でアニメ化できれば、それなりにいい感じのアニメになるのかもしれない。

演出

人気声優をかき集めて、声優の声質や特徴をそのままにして演技させれば、それだけでなんとかなる。ということが『はめふら』を視聴していて理解できた。実際、アイリス役の内田真礼の演技はキャッチーなものだったし、他のキャラも印象に残る声質だった。

ちなみに、アニメーションにおける演出で印象的だったものは、特にない。

キャラ

先ほども述べた通り、声優でゴリ押す感じだったので、それに伴う形で、キャラも非常に印象的だった。アイリスは、そのキャラの性格通りに、愛らしいキャラになったと思う。

音楽

OPはangelaの『乙女のルートはひとつじゃない!』で、これが中々に良い曲。電波ソングに寄ったangelaは、個人的にめちゃくちゃ好き。EDの蒼井翔太の『BAD END』も悪くない。映像で少しふざけてる感じもGOODだ。

『はめふら1期』の感想

※ネタバレ注意!

『はめふら』が人気な理由がよくわかった

僕がアニメを視聴し始めたのは2020年の外出自粛の頃で、ちょうど『はめふら1期』が放送されていた時期だった。そのときから『はめふら』はdアニメストアなどで視聴回数1位になっていたから、それなりに人気だったのは間違いない。だから「いつか『はめふら』を視聴しよう」と思っていたのだが、それがどんどん後ろ倒しになってしまい、『はめふら』の劇場版が公開された2023年12月のタイミングで視聴することになった。

僕はこの3年間で、500作品以上のアニメを視聴しているらしく、おかげさまで、それなりの分析眼を養うことができたと感じている。そんな僕が『はめふら1期』を視聴していて感じたのは「これはたしかに人気が出る」という確信である。

まず先ほども述べた通り『はめふら1期』は多くのアニメファンを取り込むことに成功している。基本的には女性向けの作品だが、女性キャラも可愛らしく描けていることに加えて「破滅フラグを回避する」というゲーム性が、男性視聴者の心をグッと掴んでいる。

また、これまでたくさん放送されてきた異世界転生系作品と異なる点として、主人公がちゃんと努力している点が挙げられる。いわゆる主人公最強系とかハーレム系は、大抵の場合、何も努力しなくても成功するパターンがほとんどだった。しかし『はめふら』は、主人公が努力しなければ状況が改善しない設定になっているので、主人公に好感を抱きやすい。実際、アイリスはそれなりに人気のあるキャラだと思う。

それに加えて、声優をフル活用したり、OPとEDで手堅い人気を得られるangelaと蒼井翔太を起用したりするなど、プロモーションも手堅かった。

そして何と言っても、ストーリーの尺に余裕があったのが大きい。原作2巻分のストーリーを1クールかけて映像化しているので、悪役令嬢系の世界観を深く理解できる時間があった。

内田真礼パワーの凄まじさ

僕は、基本的にはアニメ制作会社や原作の知名度などを参考にして、視聴するアニメを決めている。声優陣で決めることはほとんどない。声優ラジオはほとんど聞かないし、興味も薄い。

しかし一方で、大きな予算を投下できない場合は、アニメーションやストーリーではなく、声優でゴリ押す手法も十分に考えられる。その良い例が『はめふら』だった。

もちろん『はめふら』は原作のストーリーも面白いのだと思うけれど、やっぱり声優の演技によるところが大きい。特に、主人公のアイリスを担当した内田真礼の演技……というか声質が病みつきになる。ずっと聴いてられる声質だったから『はめふら』を最後までノンストレスで楽しめた。

さいごに

『はめふら』がつまらなかったらTVアニメ2期とか劇場版とかを視聴するのをやめるつもりだったけど、普通におもしろかったので、そのまま続編をガンガン視聴しようと思う。

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