この素晴らしい世界に祝福を!(このすば)原作ライトノベル全巻の感想

このすば(ラノベ)
星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

本記事は『この素晴らしい世界に祝福を!(以下、このすば)』の原作ライトノベル全巻の感想をまとめたものだ。本編だけではなく、スピンオフ作品でもある『この素晴らしい世界に爆焔を!』なども刊行順に掲載している。

参考までに『このすば』を読み始めたときの僕の状況について説明しておく。

  • 大学3年生
  • 学生フリーライター
  • アニメ好き
  • 『このすば』のアニメは全て視聴
  • ライトノベルは頻繁に読む

それでは感想を紹介していく。

目次

『この素晴らしい世界に祝福を!』の感想

ここからは『この素晴らしい世界に祝福を!』の原作ライトノベルの感想を語っていく。ネタバレもしていくので、まだ読んでいない人は気をつけてほしい。

この素晴らしい世界に祝福を!あぁ、駄女神さま

ゲームを愛する引き籠もり少年・佐藤和真の人生は、あっけなく幕を閉じた…はずだったが、目を覚ますと目の前に女神と名乗る美少女が。「異世界に行かない?一つだけ好きな物を持っていっていいわよ」「じゃあ、あんたで」ここから異世界に転生したカズマの大冒険が始まる…と思いきや、衣食住を得るための労働が始まる!平穏に暮らしたいカズマだが、女神が次々に問題を起こし、ついには魔王軍に目をつけられ!?

『この素晴らしい世界に祝福を!』より引用

TVアニメでも笑わせてもらったが、原作でもやはり面白い。文体もとても読みやすく、初めてラノベに触れる人にオススメできる作品だと感じた。
「ギャグ中心のライトノベルは面白いのだろうか?」と思っていたが、十分すぎるほど面白かった。また、原作ということもあって、アニメにはなかったエピソードもちょっとあった。とはいえ、TVアニメは1巻を5話で制作していたので十分な尺があったので、原作とアニメの内容に違いはほとんどなかったといえる。

この素晴らしい世界に祝福を!2 中二病でも魔女がしたい!

「…金が欲しいっ!」カズマは異世界で初めての冬を迎えようとしていた。本格的な冬に馬小屋暮らしは辛すぎる。生活拠点の確保が急務だ。そんなカズマに「屋敷に住み込みで悪霊退治をして欲しい」と願ってもないチャンスが訪れる。普段はポンコツ駄女神でも、こと除霊に関してはエキスパートのアクアがいるので、二つ返事で依頼を引き受けたカズマだったが…!?「小説家になろう」で人気を博す異世界コメディ第2巻が登場!

『この素晴らしい世界に祝福を(2)』より引用

個人的に2巻は楽しみにしていた。TVアニメではウィズのやり取りが省略されていたからだ。2巻ではウィズとの出会いのエピソードがしっかり登場している。
それとタイトルを見て分かる通り、本巻はめぐみんがメインになっている。TVアニメは、エクスプロージョンを連発するシーンが有名だったがあれはやはりアニメオリジナルの演出だった。そう考えると、『このすば』のTVアニメ制作陣は相当優秀だと思う。

この素晴らしい世界に祝福を!3 よんでますよ、ダクネスさん。

駄女神とともに転生したカズマの異世界生活は、1年が経とうとしていた。「安定」を手に入れたい願いとは裏腹に、魔王軍幹部との対決、機動要塞デストロイヤーの襲来と慌ただしい日々が続き…。そんなカズマは今、国家転覆罪の容疑を掛けられ裁判所の法廷に立っていた。自信満々なアクア弁護人が立ち向かうが健闘むなしく裁判は判決を迎える。「判決は、死刑とする」…俺、また死ぬの!? 

『この素晴らしい世界に祝福を(3)』より引用

3巻ものはタイトルの通り、ダクネスがメインのストーリーだった。
序盤は裁判編。これは正直TVアニメの方が面白かったかな。でも原作の方も心の中で笑わせていただきました。

次はゆんゆん編。読んでみると、TVアニメではゆんゆん編を結構カットしていたことがわかる。ゆんゆんと祭りで遊ぶシーンとかTVアニメではなかったよね、確か。

その次はダクネスのお見合い編。こちらはTVアニメの方が面白かったかもしれない。ただTVアニメを見ているおかげでカズマのキャラをイメージしやすいから、原作を読んでいてもちょっと笑える。

そして大悪魔バニル編。これはTVアニメに負けないぐらい原作の方もなかなか面白かった。バニルとダクネスの駆け引きは文字の方が相性よさげかもしれない。それと個人的にバニルの立ち位置は結構好きなので、本巻は当たりだった。

この素晴らしい世界に祝福を!4 鈍ら四重奏〜ナマクラカルテット〜

「最高級の紅茶が入りましたわよカズマさん」至福のひと時をアクアと微笑み合う。あぁ、お金って素晴らしい。―国家転覆罪の容疑が晴れたカズマは、報酬を手に入れ毎日家でゴロつくダメ人間と化していた。「ねぇ、冒険に出たいのですが…」そんな引き籠もりを更生すべくめぐみんとダクネスは2人を温泉旅行に連れ出そうと画策する。そして一行が訪れたのは水と温泉の都アルカンレティア。そこはアクシズ教団の総本山でもあり!?

『この素晴らしい世界に祝福を!(4)』より引用

正直驚いた。TVアニメ版とぜんぜん違うじゃん。笑
まず、TVアニメと原作でラスボスの倒し方がぜんぜん違う。TVアニメではアクシズ教徒の祈りでパワー激増しのアクアがゴッドブローを決め込んでKOだったのに、原作では協力プレイでなんとか地道に勝利ってことになってる。そしてアクシズ教徒の人たちがアクアの正体に気づくってシナリオになってた…。
それと、めぐみんと魔王軍幹部っぽい女の人(名前忘れた)に繋がりがあるっぽい伏線が張られてたね。この伏線はTVアニメでは一切語られてないなぁ。

といった感じで「なんでTVアニメ3期が一向に制作されないか」その理由がちょっと分かった気がする。TVアニメオリジナルの要素も普通に面白かったから何も文句は言えないし、むしろ良判断だったと思う。とはいえここまで内容が違うとなると3期制作はちょっと厳しい気が…。

この素晴らしい世界に爆焔を! めぐみんのターン

―カズマと駄女神様が異世界に転生する1年前。紅魔の里に暮らす“紅魔族随一の天才魔法使い”めぐみんは里の禁忌である“爆裂魔法”習得のため、修行に学校生活にと慌ただしい日々を送っていた。妹のこめっこが見慣れない黒猫を捕獲してきたそんなある日、里の外れの“邪神の墓”の封印が解かれてしまい!?「小説家になろう」発、最笑の異世界コメディ「この素晴らしい世界に祝福を!」からめぐみん視点で綴るスピンオフが登場!

『この素晴らしい世界に爆焔を!』より引用

めぐみんのスピンオフも読んでみた。僕はめぐみん推しなので、めぐみんのスピンオフはめちゃくちゃ楽しみにしてた。どうやらネットで連載されていたみたいで、その繋ぎ合わせみたいな構成になっている。そして今回の書籍化に合わせて新規エピソードも追加しているようだ。

内容としてはほとんどがめぐみんとゆんゆんの日常エピソード。もはや百合なんじゃないかってぐらい、お互いがツンツンしたり、ちょっとデレたりしてた。めぐみん推しもそうだけど、ゆんゆん推しにとっても楽しめる内容になっていた。めぐみんの妹のこめっこは癒やしだった…。

そして紅魔族編である5巻の前に刊行されたのはナイスタイミングだ。本巻を読むことで5巻が最大限楽しめるようになっている。スピンオフを読むか悩んでいる人はとりあえず購入ボタンをクリックしておいた方が良さそうだ。

この素晴らしい世界に祝福を!5 爆裂紅魔にレッツ&ゴー!!

温泉旅行からの帰宅直後の事だった。「私、カズマさんの子供が欲しい!!」屋敷に駆け込んできたゆんゆんの爆弾発言に一同凍りつく。事情を聞けば“紅魔の里滅亡の危機”を救うためだと言う。唯一満更でもない様子のカズマは、ついに始まる薔薇色の異世界生活に新時代の悟りを開く。そして間もなく、故郷を救うため旅立ったゆんゆんを追いかけ、カズマは紅魔の里へ向かう。しかし、そこで見た光景は危機とは程遠い平和なもので!?

『この素晴らしい世界に祝福を!(5)』より引用

『映画このすば』を視聴済みということもあって、大体の内容は知っている状態で読んでみた。映画では原作1巻分の内容を1時間半で映像化しているので、多少はカットされていたのだろう。実際に原作を読んでみてそれがハッキリと分かった。

特に、前巻のスピンオフと繋がっている部分が多くカットされていた。紅魔族の里までの道中の、安楽少女のくだりはスピンオフで伏線が張られていたので、映画では登場しなかった。結構面白かったけどね。

それと映画と決定的に違うのはめぐみんとの第三夜があったことだ。映画ではめぐみんと夜を過ごすのは2回だけだったはずだが、原作では3回目の夜がある。しかもそこでめぐみんは、カズマに告白っぽい趣旨の発言をするのだ。いきなりラブコメ展開でビックリ。次巻からはもっとラブコメしてほしいと思う。

この素晴らしい世界に爆焔を!2 ゆんゆんのターン

「上級魔法を習得してこそ一人前。爆裂魔法はネタ魔法」―そんな紅魔の里の教訓とは裏腹に、爆裂魔法を習得した“紅魔族随一の天才魔法使い”めぐみん。街に行くための資金を稼ごうとバイトを採すめぐみんだったが、待っていたのは“不採用”の連続だった!そこに手を差し伸べたのは、めぐみんの自称ライバルである優等生のゆんゆんで―。「天才と呼ばれた私が、定食屋でバイトか…」めぐみん&ゆんゆんファン必見の第2巻! 

『この素晴らしい世界に爆焔を!(2)』より引用

前巻では紅魔族の里が舞台となっていたが、今回は里の外、特に水の都のアルカンレティアが舞台となっている。そうか、めぐみんは一回アルカンレティアに訪れていたのか。4巻で登場したアクシズ教徒の巧妙な手口は、めぐみんが考案してたっぽい。こんな感じに本編と繋がっている部分があるのは面白い。

後半ではアルカンレティアからアクセルまでの旅路を描いていた。道中、魔物に襲われ続けるのだが、それをゆんゆんが無双しめぐみんが全然活躍できない、という構図。それでも最後の爆裂魔法は気持ちよかった。
なんだか読んでいる方も爆裂魔法の虜になっている気がする…。

この素晴らしい世界に祝福を!6 六花の王女

「妹が欲しい」―そんなしょうもないことを考えるカズマは、招待された晩餐会で年下の王女・アイリスと出会う。カズマが話す冒険譚に興味津々のアイリスは、カズマに懐いてしまい、なんと城へと連れ去ってしまう!アイリスと夢のような毎日を満喫し、ずっと城に居座りたいと願うカズマ。そんな中、王都で暗躍する義賊の噂を耳にしたカズマは、自分がそいつを捕えると言い出して―!?

『この素晴らしい世界に祝福を!(6)』より引用

妹枠のアイリスが登場するのが本巻。アイリスは可愛いからアニメ版でもぜひ見たいと思う。それかスマホゲームの「このファン」か。

今回はなんだかんだ初めてカズマを馬鹿にする人たちが出てきたと思う。今までは馬鹿にされるといってもギャグ調な感じだったが、今回はちょっと胸糞悪い感じで馬鹿にされた。それに対し、めぐみんやダクネスが反論するのも良かったし、最終的にカズマが無双する展開も良かった。

それと5巻でめぐみんとカズマがいい感じになってから、めぐみんの会話を見るのがワクワクする。もう完全にラブコメ展開。続きが気になる。

この素晴らしい世界に爆焔を!3 ふたりは最強!のターン

「上級魔法を習得してこそ一人前。爆裂魔法はネタ魔法」―そんな紅魔の里の教訓とは裏腹に、爆裂魔法を習得した“紅魔族随一の天才魔法使い”めぐみん。駆け出し冒険者の街・アクセルにたどり着いためぐみんは、さっそく仲間を探すことに。しかし、爆裂魔法しか使えない彼女を仲間にするパーティーはなく、一方でめぐみんの自称ライバルであるゆんゆんも、同じく毎日ひとりぼっちで―。めぐみん&ゆんゆんファン待望の第3巻!! 

『この素晴らしい世界に爆焔を!(3)』より引用

めぐみんスピンオフ第3弾。ついにめぐみんとゆんゆんがアクセルに上陸した。もちろんカズマやアクアも登場してくるが、基本的にめぐみん目線でストーリーは進行していく。

今回はめぐみんがアクセルの街で爆裂少女として名を馳せるまでのストーリーだ。めぐみんがパーティーに入って討伐クエストを受けるも「全然使えない」ことが分かり始める。一方のゆんゆんも全然ダメで、ぼっち属性を発揮してしまう。そんな2人がやっとタッグを組んでクエストを受けたりする人情?物語となっている。

スピンオフ1巻の時から登場していた上位悪魔・ホーストがめぐみんの手によってやっと倒されたわけだが、ホースとは本編でも登場してきそう。というかちょむすけ(ウォルバク様)は本編で伏線回収されるのかな?スピンオフだけで伏線を回収する可能性もアリそうだけど。

この素晴らしい世界に祝福を!7 億千万の花嫁

魔王軍幹部の討伐報酬として大金を手にしたカズマたちは、悠々自適の生活を送っていた。そんな中、一人浮かない様子のダクネスだったが、ある日「お前達とは、もう会えない」と手紙を残して、姿を消してしまい――。 電子版特典として、電子限定書き下ろし短編『たまにはお礼を言いたくて』を特別収録!

『この素晴らしい世界に祝福を!(7)』より引用

今回はダクネスがメイン。紅魔族編のメインヒロインがめぐみんだとしたら、今回はダクネスが深堀りされている。ダクネスファンにとってはたまらない内容だったと思うし、僕も一気にダクネスが好きになった。あのままヤッちゃえば良かったのに。笑

それと今までの中でボリューミーな内容だった気がする。本題に入る前のストーリーが結構長くて、それが面白かった。やっぱりバニルさんが登場してくれると話が面白くなる。

それと新たに「悪魔」の概念が登場してきた。今までは「魔王幹部」との戦いだったけれども、もしかしたら悪魔勢との戦いが待っているのかも。確かによく考えてみれば、めぐみんのスピンオフでも悪魔が出てきたよね。悪魔編の鍵はちょむすけが握っている感じだ。

さらにさらに、エリス様の正体がバレたということで、次巻の展開が楽しみだ。

この素晴らしい世界に祝福を!8 アクシズ教団VSエリス教団

エリス祭りはあるのに自分のお祭りがないのは不公平なので、アクア祭りをやると言い出したアクア。しぶしぶ協力するカズマだったが、クリスまで手伝いに入れられてしまって――。街中を巻き込んだ大騒動が始まる! 電子版特典として、電子限定書き下ろし短編『漢(おとこ)のロマンを叶えるために』を特別収録!

『この素晴らしい世界に祝福を!(8)』より引用

前巻を読んでから数ヶ月スパンが空いた。だが、やっぱり『このすば』は面白い。

本巻はバトル展開がほとんどなく、のんびりとした雰囲気が続く。アクセルでエリス祭が開催され、カズマの商売の力が発揮されるのだ。

そんな中、正体が明らかになってしまったクリスが深掘りされている。そしてなんだかんだでカズマの心情も深掘りされた。

また、ラブコメ展開も熱くなっている。ダクネスとめぐみんがバチバチだ。次巻ではめぐみん回になりそうだけど、何か進展があるのだろうか。

物語も折り返しになってきており、伏線を回収するターンになってきた。ラブコメ展開に決着がつくのか、カズマがどのようなラストを迎えるのか、非常に楽しみだ。

この仮面の悪魔に相談を! 

アクセルの街の裏路地にたたずむ『ウィズ魔道具店』はダメ店主・ウィズのせいで、常に経営難である。バイトのバニルは『先を見通す』能力で悩める人たちの相談屋となり、その報酬で稼ごうとするのだが――。電子版特典として、電子限定書き下ろし短編『ハーレム相談はじめました』を特別収録!

『この仮面の悪魔に相談を!』より引用

今回はバニルのスピンオフ。前巻のエリス感謝祭編では、商売がメインになっていた。その流れで、バニルの商売生活がフォーカスされている。それと同時に、バニルとウィズの出会いのエピソードも取り上げられていた。

スピンオフとはいえ、本編に繋がりがないわけではない。気になった伏線としては、アクセルの冒険者の荒くれ者であるダストについて。バニル曰く、ダストは偽名とのこと。もしかしたらダストの正体は、超大物キャラなのかもしれない。

ストーリーについては、基本的にバニル目線で展開されていく。バニル自体が強烈なキャラなので、普通にギャグが面白い。それと受付嬢のルナがフォーカスされていたもの良い。

スピンオフだからって読み飛ばすのは非常に勿体無いストーリーだった。絶対読んでみてほしい。

この素晴らしい世界に祝福を!9 紅の宿命

邪神ウォルバクの手により、王都が危機――そんな知らせを耳にしためぐみんは、イヤがるカズマを引き連れて、戦いの最前線へと向かう。そこで判明したのは、ウォルバクも爆裂魔法の使い手であるという事実で――。電子版特典として、電子限定書き下ろし短編『とあるひよこの必殺芸』を特別収録! さらに[スニーカー文庫公式サイト]ザ・スニーカーWEBで公開のキャラクター人気投票結果発表も収録!!

『この素晴らしい世界に祝福を!(9)』より引用

以前スピンオフ展開されていた『この素晴らしい世界に爆焔を!』の伏線が回収されるストーリーだった。『この素晴らしい世界に爆焔を!』に登場する魔王軍幹部のウォルバクや、ちょむすけが深掘りされていく。それに伴い、めぐみんやゆんゆんも活躍する。

もちろんラブコメ展開も進む。ラストシーンではめぐみんがカズマに猛アプローチだ。

そして久しぶりに魔王軍幹部討伐のストーリーになる。だが、基本的なスタンスが崩れることはなく、コメディ重視の内容だった。今回の場合、なんだかんだで圧勝していた。爆裂魔法をウォルバクに教えてもらっためぐみんが、その師匠を爆裂魔法で倒すという部分がシリアスだったぐらいだろう。

次巻は久しぶりのアイリス。そしてギャンブルが登場するということで、ちょっと楽しみだ。

この素晴らしい世界に祝福を!10 ギャンブル・スクランブル!

隣国エルロードの王子に会いに行くアイリスの護衛をすることになったカズマたち。可愛い妹(アイリス)と王子との婚約を破棄させつつ、エルロードからの支援も続けてもらうべく、カズマの頭脳と強運が冴え渡る!! 電子版特典として、電子限定書き下ろし短編『女神、頑張ってます』を特別収録!

『この素晴らしい世界に祝福を!(10)』より引用

今回はエルロードが舞台。前巻と同様にシリアス展開はほぼゼロ。そしてカズマの妹?のアイリスが深掘りされていく。アイリスは思っていた以上に強く、アイリスだけでも魔王を倒せそうな勢いだった。また、今回はギャンブル都市が舞台となっていたのが良い。これはぜひともTVアニメで見てみたい。

ただ、中弛みしている感じはある。物語の大筋が一向に進行していない。『このすば』の場合、シリアス展開よりも日常シーンの方が読んでいて面白いので、大した問題ではない。とはいえ、「物語がどのように進んでいくのかなぁ」という期待も無視できない。

次巻はめぐみんのスピンオフ。中弛みがまだまだ続くのかな?

続・この素晴らしい世界に爆焔を! 我ら、めぐみん盗賊団

エリス祭のときに出会った銀髪盗賊団に憧れ、自らも盗賊団を結成することを決めためぐみん。しかし、集まった団員は、いつもの万年ぼっちに、世間知らずの王女様、アブないシスターと、問題児ばっかりで――!? 電子版特典として、電子限定書き下ろし短編『盗賊少女、頑張ってます』を特別収録!

『続・この素晴らしい世界に爆焔を!』より引用

めぐみんが銀髪盗賊団に憧れて、自分達でも盗賊団を作ってしまうお話。そのメンバーがゆんゆん、アイリス、セシリー、そしてクリスということに。異色な組み合わせだけど、全員個性的なので読んでいてやり取りが面白い。最終的にはクリスとカズマが銀髪盗賊団の正体を明かして、めぐみんを惚れさせる展開となった。

そしてなんといっても、ダストの伏線が回収された。やはり只者ではなかったということらしい。正体がほぼ明らかになったというだけで、ダストの本気の強さが見れたわけではない。次のスピンオフでダストの本気が描かれるかもしれない。

この素晴らしい世界に祝福を!11 大魔法使いの妹

無事アイリス護衛の任務をやり遂げたカズマたちの元へ、めぐみんの妹こめっこが訪ねてくる。無邪気な妹の尊敬目線にカズマやアクア、ダクネスまで良い気分に。さらなる勇姿を見せようと珍しくクエストに出かけるが? 電子版特典として、電子限定書き下ろし短編『そのスキル、危険につき』を特別収録!

『この素晴らしい世界に祝福を!(11)』より引用

今回もそこまでストーリーが進まなかった気がする…。ただ、久しぶりに初期の『このすば』らしさを感じることができた。なぜなら本巻ではたくさんのクエストを受注することになるからだ。特に安楽王女のくだりは良かった。おそらく本巻は「原点回帰」をコンセプトに執筆されたのだと思う。

また、序盤ではカズマとアクアの喧嘩が描かれる。そこでちょろっと登場するバニルがいい感じ。やっぱりバニルが登場する時が一番面白い。

一応魔王幹部っぽいキャラが出たことにはなる。だが、ほとんど登場していない上に、紅魔族がトラブルを解決してしまったので、ストーリーが進むことはなかった。次巻の展開に注目だ。

この素晴らしい世界に祝福を!12 女騎士のララバイ

ダクネスを「ママ」と呼ぶ謎の少女の出現に一同騒然。一方、ダクネスは貴族の仕事に精を出すべく高額所得冒険者への税金取り立てを開始。もちろんそこには、カズマやアクアも含まれていて……!? 激動の第12巻! 電子版特典として、電子限定書き下ろし短編『伝説の魔女』を特別収録!

『この素晴らしい世界に祝福を!(12)』より引用

今回はカズマ×ダクネスがテーマ。そして相変わらずカズマとダクネスのイチャコラが始まり、それに続いてめぐみんが目を紅く輝かせる展開になる。この流れがいつまで続くのか…。

そして本巻を読んでいて、クリスの可愛さが目立つ。どうやらクリスはアクア以上にアンデットや悪魔を敵視していて容赦がない。普段のお淑やかなエリス様のギャップもあって、良い感じにキャラ崩壊している。

それと敵役として登場した着ぐるみの貴族も良いキャラしてる。当分はアクアのやられ役として活躍していきそうだ。

といった感じに本巻もコメディ展開だった。そろそろストーリーが進まないと行けない気がするが…。

この素晴らしい世界に祝福を!13 リッチーへの挑戦状

「助けてください!」――ハーレム系主人公の仲間入りを果たし、街で自慢話して回っていたカズマは、突如ウィズに泣きつかれる。聞けば、どうやらウィズの全てを知る不審な男に追いかけ回されているようで――!? 電子版特典として、電子限定書き下ろし短編『本物のマジックアイテム!』を特別収録!

『この素晴らしい世界に祝福を!(13)』より引用

今回はバニルとウィズが深堀り。なんだかんだで『この仮面の悪魔に相談を!』の伏線回収にもなった。

やはりバニルが面白い。アクアとの絡みもそうだけど、作中トップクラスに強いくせに商売人として活躍しているのが面白い。そして前巻に登場したあの着ぐるみが良いキャラをしている。

けれどもなんだかんだで今回もストーリーが進んでいない気がする。でもコメディ展開が面白いから、『このすば』は読んでいて止まらないんだよな。『このすば』の展開に飽きない限りはずっと読み続けられる。

この素晴らしい世界に祝福を!14 紅魔の試練

族長になる試練は、めぐみんのおかげで既に二回失敗…。あとが無くなったゆんゆんは新しい相方としてカズマを指名、早速紅魔の里で試練を受けることに。しかし、待ち受けていた全てが想定外の試練で!?

『この素晴らしい世界に祝福を!(14)』より引用

本編では2回目の登場となる紅魔の里での物語。紅魔の里が舞台なので、もちろんめぐみんが深掘りされる。それに合わせて、めぐみん×ゆんゆんとの関係も深掘りされた。

今回もいつも通りのコメディ全力展開だ。やはり紅魔族の連中の癖が強い。めぐみんのスピンオフで登場した紅魔族も多いので、『この素晴らしい世界に爆焔を!』を読んでおいた方がしっかり楽しめる内容だ。

この素晴らしい世界に祝福を!15 邪教シンドローム

ウィズに正体を暴露され、バニルに金をむしられたダークプリースト・セレナはカズマとの交渉の末、これから行うことを口外しないようお互い約束する。これをきっかけに再びアクセルの街に波乱が訪れ――!?

『この素晴らしい世界に祝福を!(15)』より引用

今回は魔王軍幹部であるセレナとの戦い?の物語。というふうに見せかけながら、アクアが深掘りされたストーリーとなっている。

ついに『このすば』という物語の本質を突いてきた感じがある。元々、カズマとアクアは”この世界”の人間ではない。カズマは異世界転生して幸せな生活をしているからまだしも、アクアは天界に住むべき女神な訳だ。当然いつか、アクアとの別れの時が来る。その点が深掘りされた。

そうなると物語のエンドも少しずつ見えてくる。魔王軍を倒した後にアクアが天界に帰省するパターン、それと一緒にカズマもめぐみんたちの前から姿を消すパターン、そしてコメディ全開で結局アクアも異世界に残り続けるパターンだ。

どのパターンにせよ、完結する必要があるわけで、ライトノベルにおいて”完結”は滅多に見れるものではないから、とても楽しみな次第だ。

続・この素晴らしい世界に爆焔を!2 わがままバスターズ

「このすば」大人気スピンオフシリーズ第二弾! この世界に溢れる“わがままな”依頼をめぐみんたちが解決!?
カエルとの縁は永遠。カエルの王、キングトードを討伐せよ!――「王都に雨を!」
セシリー、ゼスタ大暴れ! 邪悪なエリス教徒を討伐せよ!? ――「アルカンレティアに稲妻を!(前編)」
そのスライムの名はチャッピー。やはりアクシズ教徒はやべえ奴しかいないのか。――「アルカンレティアに稲妻を!(後編)」
『マリモでもわかる生物学』著者:バートン教授、暴走の末、少女に獣の○○○を斬らせ……。――「魔獣の森に斬光を!」
そしてめぐみんは一つ、大人になる。――「宝石獣に爆焔を!」 電子版特典として、電子限定書き下ろし短編『たまには本気の着ぐるみ侯爵』を特別収録!

『続・この素晴らしい世界に爆焔を!(2)』より引用

またまた始まっためぐみんのスピンオフ。前巻と同様に、中盤まではめぐみん盗賊団の活動がフォーカスされ、ラストはカズマたちのパーティで締め括られる。

全体的に中々面白かった。というか『このすば』はキャラの立ち位置を活用するのがとても上手い。ギャグ漫画の場合、キャラの設定をフル活用することで笑いを生み出す必要がある。その中で『このすば』は、自然な形でキャラの立ち位置を変えることに成功しているので、ギャグのバリエーションが出ているのだ。特にアイリスの立ち位置の変化は非常に興味深い。

また、中盤までめぐみん盗賊団の活躍を描くことで、終盤のカズマたちの冒険がより強調されるようになっているのも面白い。いつもよりカズマたちの冒険が面白く読めた。

この素晴らしい世界に祝福を!16 脱走女神、ゴーホーム!

『追伸。探してください』セレナが起こした騒動の後、手紙を残してアクアが家出した。マスコット的な存在であるアクアの家出によって、にわかに騒がしくなるアクセルの街。しかし、そんな状況にも関わらず、カズマは『レベル1』であることを理由に追いかけようともしなくて!?
様子のおかしいカズマを気遣っためぐみん達に、原点にして宿敵であるジャイアントトード狩りに誘われ――そこでカズマは、誰も想像がつかないようなパワーアップ方法をひらめく!?
「留守番するのはもう止めだ! あのアホを追いかけるぞ!」
ついに、カズマがチート獲得!? 家出女神を追いかける16巻!

※電子限定特典として書き下ろし短編『アクセルの街の名物女神』収録

『この素晴らしい世界に祝福を!(16)』より引用

『このすば』のストーリーがついに進んだ! いよいよ魔王軍を打倒することを各々が決意する。本巻は、魔王軍を倒すための準備と、家出したアクアを追いかける過程が描かれる。

個人的には、バニルとウィズとの絡みが見れたのが良かった。作中トップクラスに強いけどアイテム店をやっているということで、2人は僕が好きなキャラだった。多分、本編におけるこの2人の活躍は最後になるんだろうな…。もしかしたら魔王戦に乱入してくるかもだけど。

それとついに、カズマとアクアの正体がめぐみんとダクネスに暴露されることになる。しかし、カズマの異世界人の話はまだしも、アクアの正体は既に気づいていたらしい。それは流石にそうか。しかし、魔王を倒した後にどうなるのかをカズマは口にすることができなかった。

次巻で最終巻となる。おそらく魔王と何らかの決着が付くと予想される。大事なのはその後どのようなラストを迎えるかだ。異世界系作品のヒット作のラストがどのように描かれるのか、注目したいと思う。

この素晴らしい世界に祝福を! よりみち!

本編からのよりみち――文庫未収録の全8編をお届け!
謎の連続爆破事件の容疑者にされためぐみんが真犯人を探し出す!!――『アクセルの爆裂探偵』
アクセルの街で善行を繰り返すも、ことごとくアクア達に邪魔されるクリスのお話――『世にも幸運な銀髪少女』
視察にやってきた冒険者ギルドの上層部が、カズマ達を名指しで呼び出し!?――『アクセルの問題児達』
アニメ「この素晴らしい世界に祝福を!」Blu-ray&DVD特典小説に、書き下ろしを追加したシリーズ初の短編集が登場!

『この素晴らしい世界に祝福を! よりみち!』より引用

本巻は円盤特典の短編がまとまった短編集となっている。円盤を買うことに興味がない僕にとってありがたいシリーズだ。

まあそもそも、本編も短編を寄せ集めたようなストーリー構成なので、短編集だからと言って新鮮な気持ちというわけではなかった。いつも通りのドタバタコメディって感じ。

やはり『このすば』は日常シーンが面白い作品だ。ライトノベルで日常シーンが面白い作品は中々ないだろう。

そしてついに次巻で最終巻となる。振り返ってみると『このすば』も中々長かったなぁと思う。どんなラストを迎えるのか楽しみだ。

この素晴らしい世界に祝福を!17 この冒険者たちに祝福を!

「何の力も無かった最弱職の少年がたった一人で魔王を倒す。……そっちの方が格好良いじゃないですか!」
大量のマナタイトを使用し、めぐみんの爆裂魔法で魔王城の結界を破ったカズマ一行。アクア達とも合流し、目的を果たしたとばかりに引き返そうする面々に対してカズマは――「魔王に掛かった賞金って、いくらぐらいなんだろうな?」
根性なしのニートは、遂に魔王との最終決戦へ挑む!! カズマ・アクア・めぐみん・ダクネス―――アクセルが誇る問題児が愉快な仲間と共に魔王城に集結!! 国民的人気の異世界コメディ「このすば」、堂々完結!

『この素晴らしい世界に祝福を!(17)』より引用

ついに『このすば』が終わった。エンドの種類としては、「このまま日常が続いていきます…」的な感じだった。要するにハッピーエンドだ。

カズマが爆裂魔法を覚えて魔王と共倒れするのは衝撃的だった。だが結局、特例ということでカズマは生き返ることになる。

そして色々と伏線を回収できていないのが気掛かりだ。カズマのラブコメ事情はどうなるのか、アイリスがどのような戦いを見せたのか。暁先生のあとがきによれば、そういったところもいずれは書いていくとのこと。だが『このすば』は人気のある作品なので、二次創作が盛んに制作されるはずだ。暁先生もそれに期待しているのかもしれない。

そう考えると、キャラの魅力が強いライトノベルにおいて、原作本編で決定的なラストを迎える必要はないのかもしれない。そんなことを考えさせられた。

この素晴らしい世界に祝福を! よりみち2回目!

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まだまだよりみちは続きます! 入手困難だった短編や新規書き下ろし含む、全10編をお届け!

『この素晴らしい世界に祝福を! よりみち!(2)』より引用

時系列的には、カズマが異世界転生してからすぐのエピソードが描かれている。

個人的に好きなのは、カズマたちが日本にワープする『そうだ、異世界に行こう!』とか、めぐみん目線でカズマたちを描いた『拝啓、紅魔の里の皆様へ』だ。

超久しぶりに『このすば』を読んだのだけど、あらためて読むと、暁なつめ先生は文章力がかなり高いように思う。よくよく考えてみたら、文章だけで人を笑わせるというのはすごいことで、しかも『このすば』には”間”がある。情景描写を省いて、あえてセリフだけで情景をイメージさせる演出もあって、ライターとしても色々勉強になった。

『このすば』は、シンプルに著者の技術力の高さが生み出した傑作なのだと思う。

この素晴らしい世界に祝福を! よりみち3回目!

著:暁 なつめ, イラスト:三嶋 くろね
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おかげさまで10周年! 全編書き下ろしの贅沢なよりみち!!

すべての収録短編が暁なつめ先生による、豪華書き下ろし! めぐみんが悪魔に? ウィズとバニルが大喧嘩!? カズマが過去をやり直す!!? 10周年にふさわしい作品群が目白押しのよりみち3回目!

『この素晴らしい世界に祝福を! よりみち3回目!』より引用

今回の短編集は『このすば』10周年記念ということで、全編書き下ろしになっている。ということで、普通にめちゃくちゃおもしろかった。特におもしろかったのが、カズマの日記。色々なエピソードが途切れ途切れで描かれていくのだけど、やっぱり『このすば』のギャグはめちゃくちゃおもしろい。

それと、カズマが過去をやり直すエピソードも、個人的に好き。やっぱりカズマたちご一行の絆は深いのだ!

TVアニメ3期も始まり、グッズ収益が好調だと思われることから、今後も『このすば』は盛り上がりを見せそうである。

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