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アイの歌声を聴かせて(アイうた)評価:感想→音楽×AI×青春群像劇

今回は『アイの歌声を聴かせて(以下、アイうた)』について語っていく。『アイうた』は吉浦康裕監督によるアニメオリジナル映画だ。2021年10月29日に上映された。アニメ制作はJ.C.STAFFが担当している。

『アイうた』の感想

ストーリーのネタバレはしていないので、未視聴の方でも読めます。

感想①:全体的に高クオリティ

『アイうた』は全体的に高クオリティだった。演出と音楽以外の部分に関しては、ほぼ完璧といえる。

アニメ制作会社がJ.C.STAFFだということを知って「クオリティに期待できないかもな」と、僕は思っていた。だが、吉浦監督がおそらく優秀なこともあり、作画が非常に良い。
特に吉浦監督が直接的に関与している3DCGの部分とミュージカルパートは、エンターテインメントとして思いっきり楽しむことができた。

感想②:AIを用いた設定

『アイうた』はAIを活用した設定となっている。2021年公開のアニメだと『Vivy』もAIがメインテーマだった。だがどちらも、AIの本質を突いた設定になっていなかった(個人的な意見として)。

『アイうた』の場合、特に幸せの定義の部分。幸せの概念については様々なアプローチで考えることができる。ただ、科学的な観点でいえば、ある程度答えは出ている。それはセロトニン、オキシトシン、ドーパミンといった幸せホルモンだ。それをAIが導き出せないはずがない。

また『アイうた』では、実験に失敗した影響で、研究者の天野美津子(CV.大原さやか)が職を失いかけるピンチに陥る。しかしそもそも、人間に近いAIを開発できる時点で、非常に優秀な人材だ。職に困ることは絶対にないだろう。

これらのことは細かい部分かもしれない。しかし「将来起こるかもしれないこと」をテーマにしている以上、フィクションであっても、設定をしっかり深掘りしていくべきだ。その上で現実とは少し違うアプローチで、空想を膨らませていく。そうすることでより厚みのある設定になると思う。

『アイうた』の評価

作画85点
世界観・設定65点
ストーリー70点
演出70点
キャラ70点
音楽65点

作画

非常にクオリティが高い。動きもいいし3DCGも良かった。

世界観・設定

ネットワーク上にAIが逃げる部分と、田舎町が実証実験の舞台になっている部分は、設定として面白い。

ストーリー

2時間弱の尺の中で、様々なストーリーを盛り込むことに成功している。しかも伏線を自然に混ぜながら。

演出

カメラワークが印象に残る。絵コンテの段階で作中の状況を鮮明に把握しているのだろう。カメラワークのおかげで、見ていて飽きることがなかった。

キャラ

キャラデザが非常に良い。なんだかんだでシオン(CV.土屋太鳳)が1番表現豊か。

音楽

音楽が微妙だった。楽曲のクオリティが低いわけではなく、高いハードルを越えられなかったという意味。音楽をテーマにしたアニメで、印象に残る楽曲を作るのがこれほど難しいとは…。『竜そば』も『Vivy』も『アイうた』も全部微妙だ。

さいごに

アニメーションとしてクオリティが高く、AIとの共生について色々と考えさせられる内容だった。そしてなんといっても3DCGを用いた演出とカメラワークが面白い。エンタメとして大いに楽しめた。

J.C.STAFFの2021年制作アニメの中では、文句なしのNo.1だろう。

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