今回は『ガールズ&パンツァー 最終章 第4話(以下、ガルパン最終章第4話)』について語っていく。
『ガルパン』はアクタス制作によるオリジナルアニメ作品で、2012年秋クールにTVアニメが放送。2017年12月から『最終章シリーズ』の公開が始まり、2023年10月に『ガルパン最終章第4話』が上映された。アニメ制作はアクタスが担当している。
『ガルパン最終章第4話』の評価
※ネタバレ注意!
作画 | 86点 |
世界観・設定 | 83点 |
ストーリー | 82点 |
演出 | 85点 |
キャラ | 79点 |
音楽 | 80点 |
作画
『ガルパン最終章第4話』で描かれたVS継続高校では、雪山での戦いが描かれた。目玉はやはり、あの斜面での躍動感あふれる戦闘シーンだろう。目まぐるしいカメラワークになっていたのだが、あれらの動きを全部計算した上で絵コンテに落とし込んだのだろうか。だとしたらめちゃくちゃすごい。
世界観・設定
継続高校はフィンランド軍がモデル。史上最強のスナイパーと恐れられたシモ・ヘイヘをモデルにしたキャラも登場している。
相変わらず地形をガンガン利用しているし、戦車の形状も活用して穴掘りも実施していた。大洗女子学園の柔軟性が凄まじい。笑
ストーリー
VS継続高校はとてもエキサイティングな試合内容だった。相変わらずラストは間抜けだけれど、穴掘りから始まり、スナイパーのくだりや斜面での激しい戦闘、極め付けは雪崩まで、戦況が目まぐるしく変化していた。
あと、サービスシーン(サウナ)も巧みに挿入されていた。
演出
今回はいつも以上に戦闘シーンのハラハラ感があった。「流石に大洗女子学園が勝つだろう」とは思うものの、それでもめちゃくちゃハラハラ。斜面での戦争が始まる前、ジェットコースターの頂点から落ち始めるかのようなドキッとするシーンから、一気に引き込まれた感じがする。
キャラ
超絶久しぶりに島田愛里寿が登場。まさかの聖グロリアーナ女学院に転校ということで、決勝は大洗女子学園VS聖グロリアーナ女学院のカードに。てっきり新生・黒森峰が決勝だと思ったけどな。
あと今回はあんこうチームが早々に離脱ということで、他のチームメンバーにフォーカスが当てられていた。
音楽
主題歌がChouchoの『Never Say Goodbye』に変更。アニサマ2023で聴いてはいたけど、中々にいい曲だ。楽曲のタイトルでもわかるが、いよいよ終わりが近づいてきている……。
『ガルパン最終章第4話』の感想
※ネタバレ注意!
初めての映画館での『ガルパン』
僕は『ガルパン最終章第4話』を近くの映画館のDolby Atmos対応のスクリーンで鑑賞した。僕自身、2020年からアニメを見始めたということもあって『ガルパン』を映画館で鑑賞するのはこれが初めて。やはり『ガルパン』は映画館で見た方がいい。
まず音響にこだわりがある。そもそも戦車の中というのは、砲撃音やキャタピラーの駆動音でめちゃくちゃうるさい。このめちゃくちゃにうるさい感じを再現するには映画館という名の”箱”が必要なのである。また、各学校のモデルの国になっている楽曲は基本的にクラシックなので、これも、音の広がりを再現できる映画館が適している。
映像に関しては、特別「映画館だからできる画」を多く取り入れているわけではないものの、あのダイナミックな戦闘シーンは、やはり映画館で観た方が楽しめる。今回の『ガルパン最終章第4話』に関しては、斜面での戦闘シーンがヤバすぎた。マジで飽きない。
個人的には『ガルパン最終章第2話』のボコのミュージカルの演出を映画館で見たかったんだけど、島田愛里寿と対決するということだから、もしかしたらボコにまつわるシーンが挿入されるかも。
ハイレベルすぎる戦車道
『ガルパン』といえば、やはり戦闘シーン。萌え萌えなキャラはオマケに過ぎず、おそらくほとんどのファンが、あのダイナミックでユニークな戦闘シーンを見るために『ガルパン』を視聴していると考えられる。
『ガルパン』の戦闘シーンで面白いのは、オタク気質なクリエイターによって、戦車特有の性質を利用した戦闘シーンが描かれることだ。実写映画で『ガルパン』のような作品が登場しないのは、シンプルにクリエイター側がミリタリーオタクかどうかにかかっているのだと思う。実際『ガルパン』では、視聴者の99%が理解できない、ミリタリーオタクにしかわからないボケが度々登場する(僕も全くわからない)。
今回の『ガルパン最終章第4話』も戦闘シーンは非常にユニークなものだった。シモ・ヘイヘをモデルにしたスナイパー特化の戦車があんこうチームを撃ち抜き、大洗女子学園が継続高校に囲まれ、いきなりピンチに。しかし、真下に地下道があることに気づいた大洗は、戦車の形状を活かして、雪掘りを実施。そのまま地下道に逃げ込むことに成功した。
その後、スナイパー戦車を倒してから、斜面での戦闘シーンに突入。非常に激しいカメラワークになっていて超絶ダイナミック。機動力が高くフィールドに慣れている継続高校が有利と思われたが、大洗がうまく立ち回り、斜面での戦いを制す。だが、そこで継続は雪山に砲弾を打ち込むことで、なんと雪崩を発生させる。ここで形勢が一気に逆転。継続2台VS大洗1台の状況に持ち込む。だが最後の最後は大洗のトラップが成功し、大洗が勝利を収めることになる。
冷静に考えてみると、大洗の戦車が斜面を転がり回っている時点で何人かの死者が出てもおかしくないし、雪崩発生に関しては戦略として極悪非道な気がするが、そもそも「JKが戦車に乗る」という時点でこの部分は大きく破綻しているので、気にしない方がいいだろう。それよりも、もはやなんでもアリになっているからこそ、これほどまでダイナミックかつユニークな戦闘シーンを描けるという点に面白さを感じるべきなのだ。笑
さいごに
それにしても、めちゃくちゃハイレベルな戦車道が描かれた。次回以降のVS聖グロリアーナ女学院はどこがフィールドになるかが気になるところ。
制作のペースを考えると2026年ごろに『ガルパン最終章』が完結する感じだろうか。そう考えると、まだ当分は『ガルパン』を楽しめそうではある。