【五等分の花嫁∽(スペシャル)感想】シャフト制作は神!

五等分の花嫁∽
星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

今回は『五等分の花嫁∽』について語っていく(∽はスペシャルと読むらしい)。

『五等分の花嫁』は赤場ねぎによる漫画(週刊少年マガジン)が原作。2019年冬クールにTVアニメ1期、2021年冬クールにTVアニメ2期が放送され、2022年5月に上映された劇場版でアニメシリーズが完結した。

そして2023年7月、原作の未映像化エピソードを収録した『五等分の花嫁∽』が公開される。アニメ制作はシャフトが担当した。

目次

『五等分の花嫁∽』の評価

※ネタバレ注意!

作画80点
世界観・設定70点
ストーリー85点
演出82点
キャラ89点
音楽80点
※個人的な評価です

作画

事前情報を見ずに『五等分の花嫁∽』を鑑賞。それで、OPの動きがこれまでとは明らかに違うことに違和感を感じ、アニメ制作をシャフトが担当していることを知って、納得した。

ということで、作画のクオリティはめちゃくちゃパワーアップしている。やっと『五等分の花嫁』のタイトルにふさわしいクオリティに到達したと思う。ただし、リソースをたっぷり投下している感じではないので、シャフトの割にはクオリティがちょっと低いかも……という感じ。

世界観・設定

『五等分の花嫁∽』の未映像化エピソードを映像化しているだけなので、世界観・設定に特段の変化があるわけでもない。ただ作画が格段に良くなっているので、それに伴って世界観も映えて見える。

ストーリー

原作で人気のある未映像化エピソードを映像化した感じ。『五等分の花嫁』には、ほかにも未映像化エピソードがたくさんあるので、ぜひシャフト制作で映像化してほしいところ。

そして全体的に、シナリオのクオリティが高かったと思う。これは演出の効果も大きいが、それも含めて、シナリオがしっかり計算されているように思う。ただ映像化しているわけではなさそうだった。

演出

シャフト制作になったことで起きた最大の変化が演出だった。とにかく演出がパワーアップしている。特に、ギャグシーンの間の取り方は、これまでの『五等分の花嫁』には一切なかったものだ。

他にもキャラデザを可愛らしく崩す演出など、ファンを楽しませてくれる演出が盛り込まれていた。TVアニメもこれぐらいやってほしかったなぁと思う。

キャラ

キャラは相変わらず良い感じ。一応五つ子全員が活躍しているけれど、二乃、五月、四葉のエピソードが印象的だった。特に二乃が非常に良い。僕は一花推しから五月に浮気した者だけれど、悔しいが二乃が一番可愛かった。

音楽

音楽はぼちぼち。OPはいつも通りの曲調で、EDもいつも通りの曲調。TVアニメのようなインパクトがないのが残念だけれど、まあ良い曲だった。

『五等分の花嫁∽』の感想

※ネタバレ注意!

「下の上」から「中の上」へ

正直に言うと、僕は『五等分の花嫁』をアニメとして面白く感じたことがほとんどなかった。たしかに原作の漫画は面白いと思うし、キャラは非常に良い。大人気なのも納得だし、ビジネス的に美味しいのもよくわかる。しかし”アニメ”という観点に関して言えば、やはり面白くない。なぜなら、アニメのクオリティが明らかに低いからだ。

アニメのクオリティを決定するのは、アニメ制作会社である。アニメ制作会社次第で、アニメのクオリティは大方決定されると言ってもいいだろう。それでいうと、TVアニメの制作を担当したアニメ制作会社は、お世辞でも良いとは言えない。TVアニメ1期の制作を担当した手塚プロダクションは頻繁に作画崩壊を起こすことで有名だし、TVアニメ2期を担当したバイブリーアニメーションも、なんとも言えない微妙な会社だ。

もちろんアニメ制作会社が悪いというわけではない。予算を可能な限り抑えながらもアニメを制作したい場合、このようなアニメ制作会社は必要不可欠な存在となるし、事実、アニメ業界を下支えしてきた企業だと言える。けれども『五等分の花嫁』というビッグコンテンツに適したアニメ制作会社かと言われると、絶対に違うと思う。

ということで、これまで僕は『五等分の花嫁』を「下の上」くらいのアニメだと捉えていたわけだ。しかし、今回の『五等分の花嫁∽』では、僕の中の格付けが「中の上」ぐらいに変化した。

理由はアニメ制作会社だ。国内でも屈指のアニメ制作会社であるシャフトが、アニメ制作を担当しているのである。僕は以前より「『五等分の花嫁』はシャフトが作った方が絶対に面白い!」と思っていたのだが、それがついに叶ったのである。

とはいえ『物語シリーズ』や『まどマギ』のように、シャフトのクリエイティビティが思う存分発揮されているわけではなかった。だから「上」にも満たない「中の上」なのだ。もし新房昭之が監督を務めていたら間違いなく「上」なのだろうけど、今は『まどマギ』の最新作を制作している最中である。

でも、やっぱり『五等分の花嫁∽』はクオリティが段違いだった。OPと挿入歌の動きが最高だったし、全体的に演出のクオリティが高かった。やっと『五等分の花嫁』のタイトルに、クオリティが追いついてきた感じがする。今後もシャフトが制作してくれるのであれば、ガンガン新作アニメーションを制作してほしいと思う。

さいごに

ついにシャフトが『五等分の花嫁』を制作してくれるようになった。それもこれも「『五等分の花嫁』であれば間違いなく回収できる!」という製作委員会の圧倒的な自信から来ているだろう。

とはいえ、週刊少年マガジン作品のメディアミックスは、まだまだ微妙だ。マガジンの強みであるラブコメ作品は、シャフトか動画工房あたりのアニメ制作会社に作ってほしいところである。でも、その勇気ある決断を下せるかどうかは、なんとも言えないところで、しかし、これがマガジンの行方を左右する気がしてならない。

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