今回は『天元突破グレンラガン』について語っていく。『天元突破グレンラガン』は2007年春クールから2クールにかけて放送されたアニメオリジナル作品だ。アニメ制作会社はガイナックス、監督は今石洋介が担当した。
『天元突破グレンラガン』の感想
感想①:穴掘りシモンの凄さとは
『天元突破グレンラガン』を見ると、誰もがまずカミナ(CV.小西克幸)の良さに気づく。カミナはとにかく無鉄砲で、ひたすら上を見続けるような男だ。その突進力でメンバーを引っ張り、次々と偉業を達成し続けてきた。しかしそんなカミナも死亡してしまう。
一方のシモン(CV.柿原徹也)は穴掘りだけは凄いけど、とても弱気な性格だ。カミナがいなければ今もずっと穴を掘り続けていたかもしれない。しかしシモンの凄さは、どんなに苦しい状況でも自分の道を切り開く行動力にあった。カミナが死亡した後、大グレン団のメンバーが敵によって閉じ込められた際も、1人で黙々と穴を掘り続けていたのだ。
実際、ドリルで穴を掘り続けるというのは途方もない作業だといえる。ゴールが全く見えない状況だからだ。どこにゴールがあるのか分からない、そもそもゴールがなんなのかも分からない。それでも穴を掘り続けられるシモンを、カミナは誰よりも知っていて、誰よりも尊敬していた。
そして第11話『シモン、手をどけて』の名シーンになる。もはや説明不要。僕的には『天元突破グレンラガン』でダントツのNo.1のシーンだ。
感想②:極端の作画から生まれる神作画
『天元突破グレンラガン』のアニメとしての特徴として、極端すぎる作画が挙げられる。『天元突破グレンラガン』は整っている作画もあれば、荒れまくっている作画もある。例えば『天元突破グレンラガン』に登場するロージェノム(CV.池田成志)は必ずと言って良いほどキャラデザが荒ぶっている。
また、第4話『顔が多けりゃ偉いのか?』は一見すると作画崩壊のように見える。しかしこれもやはり、演出の1つだと考えて良いだろう。作画崩壊という割にはそれなりのリソースを割いているように思えたからだ。しかも動きが意外と良い。
そして第11話『シモン、手をどけて』でシモンがカミナの死を受け入れ、腕を組んで口上を叫ぶシーン。この最初に腕を組んでるシモンがカッコ良すぎる。このカットだけ綺麗な写真にして部屋に飾りたいレベルだ。
このように極端な作画は強烈なメリハリを生み、印象に残る名シーンも生まれやすい。その分、事故りやすいデメリットはあるとはいえ、それすらも作品の味になってしまう。最近のアニメは小綺麗なものが多いので、『天元突破グレンラガン』のような作品は尚更印象に残るのだ。
『天元突破グレンラガン』の評価
作画 | 90点 |
世界観・設定 | 80点 |
ストーリー | 80点 |
演出 | 85点 |
キャラ | 80点 |
音楽 | 75点 |
作画
2007年放送とは思えないほどの高クオリティ。作画崩壊回?があったものの、それをゼロにできるほど熱い作画だった。
世界観・設定
とにかく天井をぶち壊し続けるという設定が良い。その障壁として立ちはだかる敵や思想の存在も興味深かった。考えさせられる。
ストーリー
1話あたりのストーリーはもちろんのこと、全体の流れも良かった。ダイナミックにストーリーが進むので、男の子だったらどんどん作品に引き込まれるだろう。
演出
激アツなシーンはマジで激アツな演出が施される。「厨二病だろ」と分かっていながらも熱くなれる。
キャラ
メインキャラがとても印象的で、その上、ヒロインが可愛い。キャラデザが優れているのだろう。
音楽
OPの『空色デイズ』が名曲だった。挿入歌はちょっと微妙だったので、挿入歌も『空色デイズ』で良いと思う。
さいごに
『天元突破グレンラガン』はTVアニメ版以外に、劇場版も公開されている。ストーリーはほとんど同じ代わりに新規カットが大量に挿入されているそうだ。時間があるときはこちらも視聴してみたいと思う。
追記:15周年のリバイバル上映を使って劇場版を鑑賞しました!