今回は『ハイスクール・フリート(以下、はいふり)』のTVアニメ版について語っていく。
『はいふり』は横須賀市を舞台にしたSF作品で、アニメオリジナル作品でもある。2016年春クールに放送された。
当初は日常系作品を思わせるプロモーションで告知。しかし実際はハードボイルドなストーリーを繰り広げるサプライズ展開となった。
アニメ制作はプロダクションアイムズが担当している。
『はいふり』の感想
ネタバレしているので、未視聴の人は気をつけてください。
感想①:コンセプトは『ガルパン』の戦艦verだが…
『はいふり』のコンセプトは『ガルパン』の戦艦verみたいな感じだと思う。けれども、『ガルパン』と決定的に異なる点がある。それは、本当に命を賭けたストーリー展開となっていることだ。
『ガルパン』はあくまでも、スポーツの領域の作品だったと思う。戦車で大砲を撃ち合うイカれたストーリーだけど、その背景にはスポーツ精神のようなものがあった。もちろん、怪我することはあるかもしれないけど、”命を失う”というリスクは一切なかった。
けれども『はいふり』は、マジでヤバいアクシデントが発生し、それに対してJKが対処する物語だった。一歩間違えたら死人が出るレベルなので、緊迫感もある。最終的に死人が出ることはなかったけど、軍艦の怖さを思い知らされるストーリー展開だった。
おかげさまで、軍艦の運用方法などを超ざっくりと理解することができた。実はつい最近、僕は横須賀の軍港めぐりで軍艦を見てきたばっかりなのだ。それもあって、軍艦の大まかなイメージを掴むことができたのはデカい。
感想②:ストーリーのクオリティが高め
『はいふり』の魅力はいくつかあるけれど、やはりストーリーのクオリティが高いのは間違いない。シリーズ構成などを吉田玲子が担当しているということで、納得した。いまのところ、僕の中で吉田玲子の評価はめちゃくちゃ高い。マジでハズレがない。
やはり、スッキリとしたストーリー展開になっていたのが良かった。『はいふり』では数多くのキャラが登場するので、それぞれのキャラの深掘りもできたはずだ。しかし、艦橋要員目線にあえてフォーカスすることで、ストーリーの軸がブレることがなかった。実際のストーリーは、SFチックでかなり複雑だと思う。けど、軸がブレなかったので、スッキリと見ることができた。
そして、シリアス一辺倒になることもなく、適度にギャグや萌えが挟まっている。本当にバランスが良いストーリーだった。
『はいふり』の評価
作画 | 80点 |
世界観・設定 | 79点 |
ストーリー | 79点 |
演出 | 70点 |
キャラ | 75点 |
音楽 | 70点 |
作画
戦艦による戦闘シーンは、隙が一切なかった。そしてキャラの可愛らしい動きにも力が入っているイメージ。
世界観・設定
設定はそれなりにしっかり作り込まれている。軍艦を用いた設定も割とリアルで、軍艦マニアの人なら共感できるんだろうな〜。
ストーリー
ストーリーのクオリティは高い。日常系かと思いきやハードなストーリーだった。けれども無駄がほとんどなく、それでいてキャラの可愛さも伝わってくるから面白い。久しぶりに”普通に面白い”ストーリーだった。
演出
戦闘シーンの演出はもちろんのこと、キャラの可愛さを伝える演出が良いよね。細かい仕草の動きの演出が作り込まれている。知床鈴(CV.久保ユリカ)が舵を取るシーンとかね。
キャラ
オーソドックスなキャラデザの可愛らしいキャラを量産した感じ。『のんのんびより』の作者のあっと先生が原案を担当したらしい。みんな普通に可愛らしかった。
音楽
アニプレックス系列ゴリ押しの主題歌構成だった。EDの『Ripple Effect』のイントロが好み。
さいごに
『はいふり』はOVAが2話販売された後、2020年に『劇場版はいふり』が公開された。TVアニメの後日談的なストーリーだ。『はいふり』が好きな人だったら見ておいて損はないはず。
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