今回は『邪神ちゃんドロップキック』について語っていく。
『邪神ちゃんドロップキック』はユキヲによる漫画(COMICメテオ)が原作だ。これが2018年夏クールでアニメ化される。
アニメ制作はノーマッドが担当した。
『邪神ちゃんドロップキック』の評価
※ネタバレ注意!
作画 | 79点 |
世界観・設定・企画 | 75点 |
ストーリー | 80点 |
演出 | 80点 |
キャラ | 75点 |
音楽 | 78点 |
作画
全体的に作画のクオリティは高かった。一部のシーンでキャラデザが崩れたところはあったけど、それ以外は全体的に安定していて、見せ場ではちゃんと動きもあった。
世界観・設定・企画
世界観が何も説明されない系であるうえに、序盤から衝撃的なシーンが続くので、1話時点での好き嫌いがハッキリ分かれると思う。多分、これは意図的だ。
ストーリー
終始、ストーリーは過激で、邪神ちゃんのクズっぷりが目立つ。特に序盤が超過激で、1話切りする人も多そうだ。
一方で、中盤からは過激さも低減され、それなりに温かいエピソードも増えてくる。
ギャグは好き嫌い分かれるが、僕は好き。
演出
ギャグの好き嫌いは分かれると思うが、演出そのもののクオリティが高かったのは間違いない。グロテスクなシーンを見事にギャグに転換していると思うし、あらゆる手段を講じて「シュールさ」を生み出そうとしているのが伝わってくる。
キャラ
邪神ちゃんのクズっぷりが最高だ。ここまでクズだと、逆に信用できる。その一方で、実は(多分)優しかったり、食べ物だけは粗末にしなかったりなど、ちゃんとギャップがある。
もう1人の主人公である花園ゆりねは、個人的に結構好きなキャラデザで、ちゃんといい奴なのも好印象だ。
音楽
OP『あの娘にドロップキック』は、よく聞いてみるとあらすじがちゃんと説明されていて、要するに第1話の世界観等の説明不足は、OPで代替されていたことがわかる。中毒性抜群だ。
ED『Home Sweet Home!』は前山田健一が作曲・編曲を担当していて、『邪神ちゃんドロップキック』に楽しい雰囲気にピッタリなメロディーに仕上がっている。
挿入歌もいいし、劇伴の使い方もおもしろかった。
『邪神ちゃんドロップキック』の感想
※ネタバレ注意!
とにかく過激でバイオレンス
『邪神ちゃんドロップキック』を初めて視聴した際、OPのサビのバイオレンスなシーンで度肝を抜かれた。とても楽しいメロディーで、ゆりねが邪神ちゃんをギッタギタにしているのである。このシーンを見て、このアニメが普通ではないことを悟った。
そして第1話では、世界観の説明がほとんどされず、とりあえず邪神ちゃんがゆりねを殺そうとしていること、そしてゆりねが超ドSで邪神ちゃんをいたぶることに快楽を覚えていることだけがわかるシーンとなっている。とにかく、ゆりねのSっぷりが衝撃的で、相当にグロいことから、本作のギャグを受け付けない人が一定数いるのは間違いない。
実際、僕の友人は本作のギャグの良さがわからないとのことで、1話切りしてしまったようだ。
そもそも『邪神ちゃんドロップキック』に限らず、笑いって本当に好き嫌いが分かれると思う。超絶シュールな『日常』がつまらないという人もいれば、『ゆるゆり』や『邪神ちゃんドロップキック』のような過激なギャグが笑えない、という人もいる。
しかしその一方で、ギャグの過激さが強烈な信者を生み出すことも珍しくない。『邪神ちゃんドロップキック』は、その類に属する作品だろう。
実際、僕は『邪神ちゃんドロップキック』の作風が大好きでして、ここ最近で一番過激なギャグアニメではないかと思う。
それでもクオリティはちゃんと高い
『邪神ちゃんドロップキック』は相当ディープな作品だと思うが、それでもクオリティは高くキープされていたように思う。
ちゃんと予算が投下されたのか、それとも制作スタッフが優秀だったのかはわからないが、全体的にキャラデザは安定している上、見せ場では動きがちゃんとあった。また、演出のセンスもよく、OPのオルゴール版劇伴を用意していることから、現場もシームレスに連携できていた可能性が高い。
『日常』と同じく「真面目にふざける」ことを体現したような作品だ。そして「真面目にふざける」ことに成功したアニメは、例外なくおもしろい。
さいごに
『邪神ちゃんドロップキック』は続編が制作されているとのこと。
ということで、このままの勢いで視聴していこうと思う。