日常 評価:感想→京都アニメーションの技術力を凝縮させた究極の日常系

今回はTVアニメの『日常』について語っていく。京都アニメーション制作で2011年に放送されたアニメだ。原作はあらゐけいいち先生によって月刊少年エースで連載されていた漫画だ。漫画自体もシュールなストーリーだったみたいだが、京都アニメーションによる演出によってさらにワンランク上のシュールさになってしまった。

目次

『日常』の感想

感想①:ギャグセンスがヤバい

『日常』はとにかくギャグセンスがヤバい。スベるか大ウケするかのギリギリのラインを狙ってくるのだ。僕の場合、スベっちゃうぐらいシュールなギャグが好みなので、どっちに転んでも楽しめる。良いインスピレーションにさせてもらった。

とにかくシュールさを追求するため、一切の妥協がない。超どうでも良いところをめちゃくちゃにこだわって、そこらへんのアニメよりも何倍もお金を掛けたことだろう。ある程度お金に余裕がある京アニだからこそ出来たのだろうが、素晴らしいチャレンジャー精神だと思う。

個人的に僕が好みだったギャグは”トランプタワー”と”神社”だ。あと”キャンプ”も良かったかな。

感想②:さりげなく日本の文化を発信している

京アニ作品の特徴の一つなのだが、日本の文化を海外に向けてさりげなく発信している。例えば『日常』の場合、登場してきた全ての部屋でキャラが正座している。土足で生活する欧米人にとっては、実は刺激的な演出だったりする。

また、『日常』は閑静な住宅街が舞台となっていたり、後半EDではごちゃごちゃした街が映し出されていたが、これも欧米人にとっては刺激が強い。アメリカの場合、十字路形式で綺麗に街づくりがされていることもあって、迷路のようにごちゃごちゃした道はとても珍しかったりするのだ。

といったように日本の文化を発信していることもあって、海外ウケが非常に良い。YouTubeでも切り抜き動画が100万回規模で再生されているので相当だと思う。国内ビジネスでは上手く行かなかった『日常』だが、海外ビジネスではそこそこ上手くいったのではないだろうか。

感想③:OPの異常過ぎる中毒性

『日常』といえば、コメディに全振りしたOPが印象に残る。アニソンには作風溢れるオリジナリティが求められるが、その条件をしっかり満たした楽曲となっていた。OPの制作はヒャダイン。今となっては有名なクリエイターであるヒャダイン(前山田健一)だが、彼が有名になり始めたのは『日常』のOPを手掛けたときだった。
これ以降多くの楽曲制作に携わり、コミカルな楽曲制作に定評のあるクリエイターとなったわけなのだ。

ということで『日常』のOPも非常に素晴らしい。素人目線で言うと「どうやったら、一つの曲の中にここまでの情報量を入れられるんだろう」といった感じ。それでいてセンスを感じさせるメロディなのだから隙がない。特に後期OPの『ヒャダインのじょーじょーゆーじょー』は最高すぎる。

『日常』の評価

作画85点
世界観・設定90点
ストーリー90点
演出90点
キャラ85点
音楽85点

作画

日常系アニメの中では凄まじいほどに作画がいい。

世界観・設定

あまりにもシュール過ぎる世界観からはセンスを感じる。

ストーリー

シュールなギャグを織り交ぜたストーリーと構成は非常に良かった。

演出

あまりにも大げさな演出だったが、それがシュールなギャグを引き立てていた。

キャラ

意外にもキャラは魅力的。”はかせ”とか”みお”は人気ありそう。

音楽

ヒャダインの名を知らしめたOPは、前半後半どちらも最高だった。EDも飽きなかった。

さいごに

『日常』は実はTVアニメで完結しているわけではなく、あの続きがコミックスで連載されている。「コミックスでもシュールすぎるから全然面白くない」という意見もあるのだが、続きが気になる方はぜひ読んでみてほしい。

これほど気合が入ったギャグアニメは、2020年代以降も制作されていくのだろうか。今のところ『かぐや様』『このすば』がいい線行ってると思うけど、突き抜けてない感じもある。やっぱり京アニしかできない気がする。京アニの新作の動向には注目だ。

この記事をシェア
目次