【ラブライブ!スーパースター!!2期感想】やはりクゥすみが良き

ラブライブ! スーパースター!!

今回は『ラブライブ!スーパースター!!』のTVアニメ2期(以下、スーパースター!!2期)について語っていく。

2021年夏クールにTVアニメ1期が放送されたあと、2022年夏クールにTVアニメ2期が放送された。アニメ制作はサンライズが担当している。

目次

『スーパースター2期』の評価

※ネタバレ注意!

作画86点
世界観・設定80点
ストーリー80点
演出82点
キャラ82点
音楽83点
※個人的な評価です

作画

やはり作画のクオリティが高い。

3DCGに関しては、本当に手描きアニメと見分けがつかないレベルになってきている。セルルック3DCGを活用したダンスシーンは、サンライズがダントツと言っていいだろう。

また、TVアニメ1期同様に、キャラの動きがめちゃくちゃ良い。

世界観・設定

いよいよ”スーパースター”や”夢”が意識されてきた。また、音楽にしてもスーパースターにしても”誰にとっての”という要素が強調されていた世界観だった。

『ラブライブ!』は一見するとただの萌え豚アイドルアニメのように見える。でも、その裏側でちゃんとメッセージ性のあることをやっているから面白い。

ストーリー

これまでの『ラブライブ!』とは異なり『スーパースター!!』は1クールにつき1年間を描くことになる。『スーパースター!!2期』に関しては、前半部分で新入生の深掘り、後半部分で2年生及びLiella!全体のやり取りが深掘りされた。

ということで、アイドル活動のパートに関してはかなり省略されているのが正直なところだ。全国大会優勝の感動が薄かった。とはいえ、逆にキャラクターの深掘りの方にリソースを割いたのは正解だろう。

なお、『スーパースター!!』に限った話ではないが、『ラブライブ!』は全体的に、キャラクターがストーリーに動かされている印象を受ける。まあこの雑な感じが『ラブライブ!』って感じなのだけれど。

演出

先ほども述べた通り、アイドル活動のパートの印象が弱い。全国大会優勝がめちゃくちゃあっけないし、尺が短かったからか、可可の上海帰省の流れも思った以上にあっけなかった。でも、可可とすみれのやり取りとかの演出は良かった。

それと3DCGのダンスパートは、やはり凄まじい。本当に手描きアニメとわからない。1つ要望を挙げるとすれば、ダンスパートと日常パートの流れをシームレスにしていただけると、もっと没入できると思う。

キャラ

新入生4人のキャラが中々に良い。花丸を彷彿とさせるきな子、ザ・ツンデレのメイ、クールビューティーな四季、これまであまりなかったお金大好きキャラのオニナッツ。4人とも良い意味で尖っていて『ラブライブ!』らしい。

また、1年生と2年生でハッキリ分けられていたのが印象的だった。μ’sのときに穂乃果が「全員敬語はなし!」というルールを作ったのがとても印象に残っていたのだけれど、『スーパースター!!2期』は真逆のことをやっていたイメージがある。おかげさまで、先輩後輩の関係だから描ける葛藤やギャグが可能になっていた。

音楽

OPの『WE WILL!』は良い曲。”勝利”を意識させる歌詞だった。EDの『追いかける夢の先で』は良い曲なのだけれど、従来の”一体感あるリズムカルな動き”が継承されなかったのがちょっとなぁという感じ。でも、キャラの髪型をイメちゃんさせていく演出も中々に良き。

『スーパースター!!2期』の感想

※ネタバレ注意!

第9話『勝利のために』が良回

第9話『勝利のために』が非常に良かった。

簡単にあらすじをまとめてみる。地区予選を突破したLiella!だったが、千砂都が「1年生と2年生に明確に差があること」を2年生に伝える。結果を出さなければ可可が中国に帰らされることを知っていたすみれは、次の都大会では2年生だけで出場することを提案。それに対してかのんが激昂し、非常に気まずい雰囲気に。それから可可とすみれが熱く語り合って涙を流しながら抱き合う……という流れだ。

まず、かのんとすみれが激しくぶつかり合ったのがめちゃくちゃ熱かった。「『ラブライブ!』はこれぐらい熱くなくちゃ!」と思わされたシーンだ。僕は、こんな感じに、女の子同士が熱くぶつかり合う展開が好きだったりする。若者特有の熱さを感じるからだ

そこから、可可とすみれの流れに移る。ここの演出はかなり良かった。思わず涙ぐんでしまったぐらいだ。可可とすみれの関係性が好きな僕からすると、非常にエモーショナルなシーンだった。

本物の歌

『スーパースター!!2期』で僕が個人的に印象的だったのが”本物の歌”のくだりだ。マルガレーテとかのんの2人の対立だ。

マルガレーテは、自分の圧倒的な実力を知らしめるために歌っていた。一方、かのんはみんなのために歌っていた。

僕は、どちらの考えも正しいと思う。ただし、スクールアイドルという括りに関して言えば、かのんの考え方の方が明らかに正しい。なぜならスクールアイドル、ひいてはアイドルというものは、ファンによって支えられているという構図が出来上がっているからだ。

だから、かのんは”歌を届ける”ことを強く意識していた。みんなと一緒に作り上げていくスクールアイドルの虜になっていたのだ。

マルガレーテは、そこが明らかに足りない。歌は一種のコミュニケーションであり、コミュニケーションである以上、送り手と受け手がいる。もちろん、送り手第一のコミュニケーションもあるが、スクールアイドルに関しては、受け手のことを強く意識する必要がある。きっとTVアニメ3期で、その辺の葛藤が描かれることだろう。

夢と今

終盤のクライマックスで「かのんがウィーン国立音楽学校に編入!」という流れになった。だが、かのんはめちゃくちゃに悩むことになる。

「世界中の人に歌を届けたい!」というのは、かのんの一番の夢だった。しかし、結ヶ丘女子高等学校の音楽科の受験に失敗してしまい挫折。そんな中、スクールアイドルに出会ったことでかのんは復活し、少しずつ実力をつけ、ついにウィーン国立音楽学校に招待されることになった。たしかに、これは悩む。スクールアイドルのおかげで復活できた中で、スクールアイドルを途中で投げてしまうのは、かのんの性格上、非常に難しい。

思ったのだけれど、TVアニメ3期では、きっとこの辺の葛藤がもっと深掘りされるのだと思う。夢と今。ひいては将来と今。かのん達の代は3年生になり、進路を考えていかなければいけないフェーズに入る。なんだかんだでこれまでの『ラブライブ!』では、進路選択の葛藤が描かれることはなかった。

そして当たり前だが、かのん達の代は卒業することになる。一応これまでの『ラブライブ!』でも終わりは意識されていたけれど、Liella!は3年間を描いているわけなので、これまでのものとはレベルが一段階違うだろう。……マジで泣いちゃいそう。

さいごに

『ラブライブ!スーパースター』はTVアニメ3期の制作が決定済みで、新メンバーとしてマルガレーテと、オニナッツの妹である鬼塚冬毬がLiella!に加入することが決まっている。マルガレーテはまだしも、これまで未登場のオニナッツ妹が加入するのは少し意外だ。

さてさて、TVアニメ3期では一体どのような展開になるのだろうか。多分、2024年には放送されると思うので、楽しみに待ちたいと思う。

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