今回は『メイドインアビス 烈日の黄金郷(以下、メイドインアビス2期)』について語っていく。
前作の『劇場版メイドインアビス』が2020年1月に上映された後、2022年夏クールに『メイドインアビス2期』が放送された。
アニメ制作はキネマシトラスが担当している。
『メイドインアビス2期』の感想
ネタバレ注意!
慣れ果て村の成り立ちが最悪
『メイドインアビス2期』は第6層にある慣れ果て村が舞台だ。第6層の上昇負荷によって人間性を喪失し、異形の者になってしまった慣れ果て達が住む村だ。ここでは「価値」が通貨の役割を果たしており、自分の体ですら価値に変換可能という狂った設定となっている。
そして慣れ果て村は成り立ちも狂っていた。この慣れ果て村は、イルミューイという女の子の体内で、慣れ果て村の村人たちはイルミューイが産んだ子どもを食べることで生き永らえることができたのだ。
可愛らしい女の子であるイルミューイが”欲望の揺籃”と呼ばれる遺物を使用したことで化物に変容し、毎日子どもを産み続けるようになり、そしてそれを奪われ続けるシーンは見るに堪えない最悪のシーンだった……。
久野美咲の声質がトラウマになる
イルミューイや、『メイドインアビス2期』における重要人物であるファプタは、久野美咲が声を担当している。『ハッピーシュガーライフ』の神戸しお、『リコリス・リコイル』のクルミのような幼女キャラの演技に定評のある声優だ。そう、幼児のようなとても可愛らしい声質なのである。
しかし『メイドインアビス2期』のせいで、僕は久野美咲の声質にトラウマを抱くようになってしまった。そもそも僕が初めて久野美咲の声質に意識するようになったのが『ハピシュガ』の神戸しおだったのも影響している。『ハピシュガ』も中々狂ったストーリーだったので、それがフラッシュバックしてしまったのだ。
今回の『メイドインアビス2期』で久野美咲の演技が注目されるようになったので、今後も狂った作品での幼女役として活躍するようになるかもしれない……。
『メイドインアビス2期』の評価
作画 | 85点 |
世界観・設定 | 85点 |
ストーリー | 85点 |
演出 | 85点 |
キャラ | 80点 |
音楽 | 75点 |
作画
3DCGと手描きの親和性の高さが印象的だった。『メイドインアビス2期』では前作に比べて3DCGによる描写が多い。しかしそれでも、手描きで描かれるキャラとの親和性が高かったので、違和感を全く感じなかった。違和感なさすぎて3DCGってことを忘れてしまうほどだ。
世界観・設定
こんなのどうやって思い付くんだよ……。と考えてしまうほどの世界観だった。”価値”がテーマになってたけど、これはマルクスの資本論から発想を得てるよね。生命体を価値として扱うと、こんな設定になるのか? いや、作者の頭の中がバグってるだけだ。
ストーリー
プルシュカのカートリッジ並みの衝撃を受けた。生き残るためにイルミューイの子どもを食べ続けるという……。しかもイルミューイの体が慣れ果て村に変異するという凄まじいストーリーとなっている。視聴していて僕は思わず頭を抱えてしまった。
演出
ここまでショッキングな気持ちになったのは久しぶりだ。それはグロテスクなストーリーの影響も強いけど、やはり演出のクオリティが高いのだと思う。これまで見てきたアニメの中でも断トツでえげつない。
キャラ
『メイドインアビス2期』に登場する慣れ果て達がヤバかった。あれだけの造形をあれだけの数生み出すのは凄すぎでしょ。どういう発想であんなキャラを思いつくのだろうか……。
音楽
音楽は普通だった。もっとエッジの効いた音楽を採用してもいいと思うけどな。TVアニメ1期のEDみたいに明るくしたりとか、逆に頭おかしくなるぐらいに不協和音を詰め込んでみたりとか。
さいごに
『メイドインアビス』は、ほぼ間違いなく続編が制作されると思う。ただし、原作コミックスの更新スピードがそこまで速くないため、続編アニメが公開されるのは3年後ぐらいとかになりそうだ。
それまで僕は気長に待ち続けようと思う。次はどんな絶望を与えてくれるのだろうか……。