【猫物語(黒)感想】知らぬまに、落ちているのが初恋だ

猫物語黒
星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

今回は『猫物語(黒)』について語っていく。

前作の『偽物語』が2012年冬クールに放送された後、2012年12月31日に『猫物語(黒)』が全4話一挙放送される。

アニメ制作はシャフトが担当している。

目次

『猫物語(黒)』の感想

ネタバレ注意!

言葉遊びにハマると抜け出せない

『猫物語(黒)』に限った話ではなく、西尾維新作品の最大の特徴は、言葉遊びを活用したセリフ回しにある。日本人で日本語ネイティブで良かったなぁ、と改めて思わされるほど、西尾維新の言葉遊びは魅力的だ

この言葉遊びにハマってしまうと、もう抜け出せなくなる。『猫物語(黒)』は、会話だけで10分以上の尺を使うことがよくあるけど、それも全然平気で視聴できてしまう。言葉遊びが面白いから、それだけでアニメを見れてしまうのだ。

僕は久しぶりに『物語シリーズ』の作品を視聴したけど、やっぱりめちゃくちゃ面白い。原作ライトノベルも絶対購入しようと思う。

聖人は、実際に存在してみると、非常に気味が悪い

『猫物語(黒)』は、羽川翼がメインとなっているストーリーで、「つばさファミリー」というタイトルになっている。羽川翼は全くの義理の両親と生活しているため、家族の関係があまり良くない。いや、2階建ての戸建てなのに自分の部屋が用意されていないので、最悪の状態だといえるだろう。

しかし羽川翼は、あまりにも善人すぎた。あまりにも善人なので、両親に対してもストレスをぶつけることがないのだ。それは一見すると素晴らしいことのように思えるけど、そんな人が実際に存在するのだとしたら、非常に気色悪い。

人間は表裏が普通にある生き物だし、悪質な思考を持っている生き物なのだ。だから完全な善人など存在しない。
人には必ず辛い過去や、罪悪感を感じることがある。そしてそれは当たり前のことなのだ。だから僕たち人間は、辛い過去を受け止めて、前に進むしかない。過去や罪悪感を消すことは一生できない。そう割り切るしかない。完全な善人になることなど、不可能なのだ。
僕はそんなことを、『猫物語(黒)』から感じ取った。

『猫物語(黒)』の評価

※個人的な評価です

作画85点
世界観・設定85点
ストーリー85点
演出90点
キャラ80点
音楽75点

作画

シャフトということで作画のクオリティが高い、それと『物語シリーズ』特有のカットや構図が印象に残る。登場人物が会話してるだけなのに全く飽きない。

世界観・設定

阿良々木暦の初恋がテーマとなっていて、それを西尾維新が言葉遊びを交えつつ表現する。『さらわぬ猫にタタリなし』というラノベがあるのだけれど、それのパロディでもあるのかな。

ストーリー

ストーリーのテンポ感は良かったと思う。4話だとは思えないほどの時間感覚だった。やはり1カットあたりの時間が短いから、時間のテンポが速く感じるのだと思う。

演出

『物語シリーズ』は、演出を見ているだけでも十分楽しめる。本当に、芸が細かいなぁと思う。

キャラ

本作は基本的に羽川翼がフォーカスされている。なんでも知っている羽川さんだけど、なんでも知っているからこそ気持ち悪い。そしてあまりにも倫理的すぎるからこそ気持ち悪い。羽川翼の特徴が最大限発揮されていた。

音楽

『猫物語(黒)』は、いつもより主張が抑えめの主題歌だったので、ちょっと味気なかった。

さいごに

『猫物語(黒)』の次は、『猫物語(白)』が含まれている『物語シリーズ セカンドシーズン』を視聴することになる。こちらも視聴次第、ブログにしてみようと思う。

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