冴えない彼女の育て方♭(冴えカノ2期)評価:感想→クリエイター達の激アツ物語

星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

今回は『冴えない彼女の育て方♭(以下、冴えカノ2期)』について語っていく。TVアニメ第1期は2015年冬クールに放送されたが、それから2年後の2017年春クールにて『冴えカノ2期』は放送された。高クオリティで制作されたTVアニメ1期とほぼ同じスタッフということで、期待値が高い作品だったと思う。

https://terukun.blog/saekano/
目次

『冴えカノ2期』の感想

感想①:ラブコメって感じではない

『冴えカノ2期』はラブコメっていうより「クリエイター達の熱い物語」といったイメージが強かった。
主人公の安芸倫也が同人ゲームを製作するために同人サークルを立ち上げるのだが、『冴えカノ2期』ではついに同人ゲームが完成する展開になる。その際には、安芸倫也のディレクターとしての素質、霞ヶ丘詩羽や沢村・スペンサー・英梨々のクリエイターとしての葛藤、同人ゲームに懸けた加藤恵の熱量が語られる。もはやラブコメではない。ただの激アツ物語だ。

僕もこうやってブログを書いている人間なので一応クリエイターということになるし、いずれは音楽制作やイラスト制作をやってみたいとは思っている。ただそれはあくまで趣味の範疇で、超一流を目指したいわけではない。そんな僕でも、クリエイターとして超一流を目指すことはめちゃくちゃ大変であることを、『冴えカノ』を通じて学ぶことができた。

感想②:あと10年遅らせたら大ヒットしたかも

これからの時代、AIが仕事をやってくれるということで多くの人々が生きがいを求めて趣味を探すことになると僕は思っている。それらの趣味のほとんどはクリエイター系であり、日本人であれば同人ゲームやイラストに手を出す人が一定数出てくるだろう。

そんな10年先の世界で『冴えカノ』がリリースされていたら、今よりも大ヒットしていた気がする。今の時代の人が『冴えカノ』を見ても、「結局オタク向けの作品じゃないの?」みたいに考えてしまうだろう。だが、これがクリエイター全盛の時代に放送されるのであれば話は別だ。

そう考えると、ちょっと時代を先読みしすぎちゃったのではないかと思う。まあ、配信サイト等でいつでも見れるとは思うので、また『冴えカノ』が注目される可能性もあるとは思う。

感想③:ラブコメとしては現段階では微妙

クリエイターの熱量を語る物語としては超優秀だと思うけど、ラブコメとしてはまだ微妙だ。だがこれは『劇場版冴えカノ』で一気に巻き返していくのだろう。『俺ガイル』も、中盤までは奉仕部の活動がメインで終盤から一気にラブコメをやりだして素晴らしいラストになったから、それと同じようなものだろう。

ちなみに何が微妙だったかというと、涙が安っぽくなってしまっていた点だ。やっぱり僕は、ラブコメにおいて涙はそう簡単に流すべきではないと思う。涙というのは最も簡単に感情を表現できてしまうがために、軽い印象になりがちだからだ。

『冴えカノ2期』では終盤になって、今までフラットな表情を貫き通していた加藤恵がついに涙を流す。これは素晴らしいシーンだったけど、あくまでもクリエイター物語としてのエピソードだった。激アツのクリエイター物語しては良いエピソードだけれども、『冴えカノ』はやっぱりラブコメだと思うので、それが僕の中でごっちゃになってしまった。「加藤恵のあのシーンはクリエイターとしてのエピソードだけど、『冴えカノ』は一応ラブコメなんだよなぁ」って感じにだ。

この辺について語った記事をnoteで投稿する予定なので、気になる人はぜひ読んでみてほしい。
→投稿しました
https://note.com/terukun_note/n/n1eb4aa28d025

『冴えカノ2期』の評価

作画90点
世界観・設定90点
ストーリー90点
演出85点
キャラ95点
音楽80点

作画

『冴えカノ1期』に引き続き、安定したクオリティだった。

世界観・設定

同人ゲームを完成させた後に、世界観・設定に新しい要素が追加された。これは続きが非常に気になる。

ストーリー

ラブコメっていうより、クリエイターの激アツなストーリーに感情を揺さぶられた。それぞれのキャラの悔しさが滲み出てて良かった。

演出

クライマックスの演出は感情が揺さぶられるものだったけれども、個人的にはちょっとピンとこなかった。映像で魅せすぎな気がする。ここは現実味のある映像を中心に、音楽やタイミングを工夫するべきだった思う。

キャラ

『冴えカノ2期』になると、それぞれのキャラの弱さが垣間見えるようになってきた。特に英梨々はちょっとヤンデレ気質になっていたと思うけど、人間らしさが出ていてよかったと思う。

音楽

『冴えカノ1期』ほどのインパクトはなかったかなという印象。挿入歌も多く出してきたけど、僕的にはぶっちゃけ微妙だった。

さいごに

『冴えカノ2期』の続きの物語である完結編『劇場版冴えカノ』が2019年に上映された。しかも今(2021年5月)なら、『冴えカノ』が完全に完結した記念で配信サイトでも視聴できるようになっている。どんなラストを迎えたのか、結局クリエイターの夢を追求することができるのか、ぜひその目で体験してほしい。

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