今回は『School Days(スクールデイズ)』について語っていく。『School Days』は恋愛アドベンチャーゲームが原作だ。これが2007年夏クールにアニメ化される。アニメ制作会社はティー・エヌ・ケーだ。
『School Days』の感想
ネタバレするので、未視聴の方は気をつけてください!
感想①:人間の欲を描いた素晴らしいストーリー
『School Days』のストーリーを好意的に見れた人はほとんどいないだろう。だが僕は、『School Days』のストーリーを好意的に見ることができた。『School Days』は数々のアニメの中でも、人間の欲をしっかり描き切った素晴らしい作品だ。俯瞰する形で『School Days』を視聴すると、非常に面白い。
確かに、伊藤誠(CV.平川大輔)や西園寺世界(CV.河原木志穂)の行動は褒められたものでない。しかし、人間は欲が絡むと合理性が無くなり、判断の基準もあやふやになる。それを考慮すると、誠や世界でなくとも、あのような行動を取ってしまうのではないだろうか。
陰湿なイジメや、世界が妊娠した際の誠の言動も気持ちの良いものではなかった。だが、同じようなシチュエーションで”僕たち視聴者”は、より良い行動を取ることができたのだろうか。人間はピンチの時にその人の本性が出てくる。それはピンチになってからでないと分からないものなのだ。
感想②:言葉が正義なのか?
ネット上のコメントを見ていると、桂言葉(CV.岡嶋妙)を擁護する意見が多い印象だ。しかし僕は、言葉を擁護する気は一切ない。
言葉もある意味、”所有欲”に囚われているからだ。合理的に考えれば、誠や世界とは早急に縁を切るべきだった。しかし、「誠と付き合っている」ということに囚われすぎて、状況と自分を見失ってしまった。
終盤になって言葉が病んでしまったのは、セルフマネジメントができていなかったとしか言いようがない。
感想③:ラブコメと恋愛で雰囲気が違う
『School Days』は、恋愛系のアニメといえる。そしてやはり、ラブコメと恋愛は同じようで全然違うジャンルだ。
『School Days』の中で誠がやってきたクズ行動は、ラブコメだと面白く見ることができる。その一例が、主人公が普通に二股する『カノジョも彼女』だ。これを『School Days』でやってしまったら速攻で修羅場になるし、ニコニコで『誠死ね』が乱列することだろう。
そしてラブコメと恋愛は、程よいバランスで鑑賞するのが良さそうだ。そうした方が、バイアスに囚われることなく、登場人物の心情描写を体感できると思う。僕も今までラブコメを嗜んできたので、そろそろ恋愛系の作品を多く視聴しよう。
『School Days』の評価
作画 | 65点 |
世界観・設定 | 65点 |
ストーリー | 75点 |
演出 | 70点 |
キャラ | 70点 |
音楽 | 60点 |
作画
2007年放送の割には、作画のレベルは安定して高かったといえそうだ。キャラデザが乱れることも少なかったし、崩し方も良かった。
世界観・設定
ドロ沼の世界観をしっかり構築できていた。
ストーリー
なんだかんだで次を見たくなるストーリーだった。中盤までは純粋な恋愛ものとして楽しむこともできる。
演出
日常パートの演出はもちろん、エロシーンの演出も巧かった。そして終盤の鬱展開も良い。
キャラ
キャラデザが優れていることもあり、キャラの見た目には愛着が湧く。
音楽
OP・EDはどちらも良曲。EDは様々な楽曲が用意されていて、どれもレベルが高かった。ギャルゲー原作なので、BGMも良い。
さいごに
アニメ版ではバッドエンドになってしまった。だが、ゲーム版ではハッピーエンドも用意されている。もし、違うエンディングを楽しみたいのであれば、原作ゲームを購入してプレイするのも良さそうだ。