スーパーカブ(TVアニメ)評価:感想→『JK×原付』の破天荒アニメ

今回は『スーパーカブ』について語っていく。『スーパーカブ』の原作は角川スニーカー文庫で刊行されているライトノベル。それが2021年春クールにて、TVアニメで放送された。
アニメ制作会社はスタジオKAI。2021年冬クールでは『ウマ娘2期』を制作していたこともあり、かなり注目されるようになってきているアニメ制作会社だ。

目次

『スーパーカブ』の感想

感想①:演出のセンスが圧倒的に良い

『スーパーカブ』の演出のセンスの良さは、2021年春クールの中でもNo.1かもしれない。『スーパーカブ』は登場人物の心情描写を色彩で表現しているのだ。
童貞を卒業した次の日の世界の風景が違って見えるような体験を、アニメの中で上手く表現している。

本作は見ての通り『JK×〇〇』系のテーマ設定がされている。この流れは『けいおん!』の『JK×軽音楽』から始まっている。そして『JK×〇〇』系のアニメは”何も取り柄のなかった主人公が、好きなことに没頭していくストーリー”になることが多い。『けいおん!1期』はまさにそんなストーリーだったと思う。

『スーパーカブ』も同じだ。友だち・家族・好きなことも何もなかった主人公が、スーパーカブにのめり込んでいくストーリーとなっている。そして主人公が初めてスーパーカブに乗る時に、世界が鮮やかになる演出がされるのだ。それまでは冷たい色彩で表現されていたこともあり、この演出には鳥肌が立った。

感想②:スーパーカブに乗りたくなる

僕は旅をしながら、ライターの記事を書いたりブログを投稿したり起業したりして生きていこうと思っている。その中で原付に乗って旅をするのも悪くないなとも思っていた。そんな矢先に『スーパーカブ』が放送された。

『スーパーカブ』はそのタイトルの通り、スーパーカブの魅力が詰まった内容となっていた。『JK×スーパーカブ』というテーマ設定からJKでも乗れる利便性が分かるし、最終回では超長距離の運転を披露してみせた。修理やメンテンナスの時のガチャガチャ感も男心をくすぐられる。
しかもホンダが監修していることもあって、機体のデザインも緻密に再現されている。極めつけはホンダのCMで流れるクラシック音楽が、作中のBGMとして挿入されているのだ。

僕は結局スーパーカブを購入することはなかったが、『スーパーカブ』がきっかけで、本物のスーパーカブを購入してしまった人もいるのではないだろうか。それぐらい良いプロモーションになっていたと思う。

感想③:インパクトには欠けるよね

『スーパーカブ』の欠点はインパクトの弱さだ。『JK×スーパーカブ』というテーマは、意外性があるけどインパクトが弱い。それでいてキャラデザは良くも悪くも渋めだ。生粋のアニメオタクだったら「面白そう!」と思って食いつくと思うが、一般人に広まるほどウケが良いとは思えない。

一方で作中の二人乗りのシーンがネット上で炎上してくれたのは、個人的には良かったと思う。二人乗りどころか、カブで富士山を登ろうとしたり荷物入れに人を入れたりしているわけなのだが…。笑
二人乗りのシーンはYahooニュースで盛り上がってくれたので、一般人含め多くの人の目には止まったはずだ。その際には『スーパーカブ』というタイトル名及び商品名が記載されるので、ホンダからしたら良い宣伝にはなってる。笑

『スーパーカブ』の評価

作画70点
世界観・設定65点
ストーリー75点
演出85点
キャラ60点
音楽55点

作画

作画は非常に安定していたのが良かった。演出を最大限活かせる作画・色彩設計だと思う。

世界観・設定

『JK×スーパーカブ』というありそうでなかった設定。スーパーカブに乗りたくなってしまった。

ストーリー

第1話のストーリーが非常に良かった。一気に作品に引き込まれる。

演出

色彩を活かした演出は今までになかったものだと思う。心情描写を色彩の変化で表現するのはセンスが良いとしか言いようがない。

キャラ

萌え要素が控えめのキャラだったが、個性もしっかり出ていてよかったと思う。

音楽

OP・EDはセンスあると思うけど、他のアニソンに比べると目立たない。

さいごに

『スーパーカブ』は原作の発行部数が伸びるのであれば、高確率で2期が制作されると思う。良い意味で炎上しやすい破天荒なストーリーだし、ホンダにとっても良い宣伝になるからだ。あとは原作が伸びてくれれば文句なしで続編が決まるだろう。

それにしてもアニメ制作会社のスタジオKAIはかなり調子が良い。『スーパーカブ』でも『ウマ娘2期』でもそうだったが、3DCGの違和感がほとんどない。投資したいレベルで期待できるアニメ制作会社だ。

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