今回は『天気の子』について語っていく。
『天気の子』は2019年に上映されたアニメ映画で、原作・監督・脚本を新海誠が務めている。アニメ制作はコズミック・ウェーブ・フィルムが担当した。
ちなみに今回、僕は『天気の子』をIMAXで鑑賞している。
『天気の子』の感想
ネタバレ注意!
なんか評価が悪いって聞いてたけど……
今回、僕は『すずめの戸締り』上映記念の新海誠IMAX映画祭を利用して、『天気の子』のIMAXを鑑賞した。そして、それが僕にとって初めての『天気の子』となる。僕がアニメにハマったのが2020年春頃だったので、2019年上映の『天気の子』は鑑賞していなかったのだ。
そして2019年当時、僕の周りの友人は「よく分からん」とか「終わり方が微妙……」みたいなことを言ってた。ネット上の評価を見ても、『君の名は。』より低評価が多い。
けど、僕はそうは思わなかった。むしろ個人的には『天気の子』の方が好きだった。
『天気の子』は美しいボーイミーツガール
『天気の子』は言わずもがな、ボーイミーツガールだ。一人の男の子と一人の女の子が出会い、そこから物語が発展していく。
ボーイミーツガールでよく見受けられるのが、セカイ系との組み合わせだ。セカイ系とは、一つの人間関係が世界に影響を及ぼすようなストーリーのジャンルのことを指す。代表作としては『エヴァンゲリオン』や『涼宮ハルヒの憂鬱』が挙げられる。
そしてボーイミーツガール×セカイ系でよく見られる展開が、「愛する人と世界の平和、どっちを取る?」というものだ。愛する人を選ぶと世界が崩壊して、逆に世界の平和を取ると愛する人が何かしらの形で失われてしまう。
『天気の子』でも、その選択肢が登場する。ヒロインの天野陽菜を空に還すことで、東京の異常気象が綺麗さっぱりなくなるというものだ。しかし主人公の森嶋帆高は東京ではなく陽菜を選び、その影響で東京が沈没してしまう……。
そしてここで『天気の子』に対する意見が分かれてしまった。この帆高の行動に対して「身勝手すぎる」「見ていてイライラする」と感じた人が多かったからだ。でも僕は、そんな帆高の行動が、若者の青さをエモーショナルに描いているように見えてしまった。
極め付けはラストシーン。自分を苦しめてきたはずの空に対して、それでも陽菜は東京を救うために祈り続けていたのだ。とても美しいラストだった。
『天気の子』の評価
作画 | 95点 |
世界観・設定 | 90点 |
ストーリー | 88点 |
演出 | 90点 |
キャラ | 80点 |
音楽 | 90点 |
作画
作画のクオリティが相変わらず高い。もちろん美術背景も素晴らしい。これをIMAXで楽しむためだけに1,700円を払う価値があると言えるだろう。
世界観・設定
気候変動がテーマにあるのは間違いない。それをボーイミーツガールに組み込むという発想は、今までのアニメでは全くなかったものだった。
それと『天気の子』では「天気によって人々の気分が変わる」と解説されていたけど、それはその通りである。天気が悪い時は低気圧で人々の調子が悪くなるし、逆に天気が良い時は太陽の光を浴びることで脳が覚醒するからだ。現代人はスマホばっかり見るから下を向いてしまっているけれど、たまには空を見上げるべきだと思う。
あと、新宿の街を完璧に再現するために、企業名をしっかり盛り込んでいたのはシンプルに凄いと思う。しかもそれを沈没させたわけだから、なおさらだ。笑
ストーリー
起伏がしっかりついたストーリーだったので、途中で退屈になることが一切なかった。『君の名は。』と比べてラストが綺麗だったのも、個人的には高評価だ。
演出
やはり楽曲を用いた演出のやり方が上手。特に音の使い方が上手い。『天気の子』では楽曲挿入時も登場人物がセリフを喋るのだけど、その辺の音量調整が絶妙だ。
それと個人的には、帆高たちにとって理不尽な展開が続くシーンの演出が最高だった。極め付けは帆高が銃を構えるシーン。これまでたくさんのアニメを見てきたけど、ここまで心が締め付けられるほどの理不尽な展開は初めてかも。
キャラ
帆高の命の恩人である須賀圭介や、大学生の須賀夏美が良いキャラしてた。二人とも、大人と子供の間を生きているようなキャラだったから、それを自分に重ねてしまった……。
それとやはり、帆高と陽菜の二人が良かった。どちらもボーイミーツガールの主人公・ヒロインとして完璧だったと思う。特に陽菜のラストシーンは美しかったな……。
音楽
『君の名は。』ではRADWINPS全振りだったけど、『天気の子』ではボーカルに三浦透子が追加されている。個人的には『グランドエスケープ』がめちゃくちゃ好きで、思わず手を叩きたくなってしまうほどだった。
さいごに
個人的には『君の名は。』より『天気の子』の方が好きだった。めちゃくちゃボーイミーツガールしてるし、登場人物たちがそれぞれの心情を胸に動いていた気がする。とにかくエモーショナルだった。
それとやっぱり新海誠作品は映画館で見るに限るし、特にIMAXで視聴するべきだと思う。ただIMAXを想定して制作されていなかったからか、それとも僕が利用した映画館(12.1ch)が微妙だったのか、『天気の子』の音響は他のIMAX作品よりちょっと微妙だったかな。
そして2022年11月から新海誠最新作である『すずめの戸締まり』が上映される。しかもIMAX上映も決定しているので、絶対IMAXで視聴してやろうと思う。