今回は『コードギアス 奪還のロゼ 第3幕』について語っていく。
『コードギアス』は2006年からスタートしたサンライズのメディアミックスプロジェクトで、2019年に『コードギアス 復活のルルーシュ』が上映され、そこで一区切りがつく。
そして2024年5月に『復活のルルーシュ』から約5年後が舞台となる『奪還のロゼ第1幕』が劇場公開。2024年6月には『奪還のロゼ第2幕』、2024年7月に『奪還のロゼ第3幕』が公開される。アニメ制作はサンライズが担当した。
『奪還のロゼ 第3幕』の評価
※ネタバレ注意!
作画 | 86点 |
世界観・設定・企画 | 80点 |
ストーリー | 80点 |
演出 | 80点 |
キャラ | 83点 |
音楽 | 80点 |
作画
初めて『奪還のロゼ』を視聴したときのワクワク感は薄れた。たしかにこれまでのシリーズ作品に比べて、本作の作画のクオリティは高いのは間違いないが、中盤の中弛みフェーズなのか、ダイナミックな戦闘シーンは少ない。
世界観・設定・企画
この『第3幕』で、一気に規模が広がり、北海道だけでなく世界中を巻き込んだ戦いになりそうな感じになった。それに伴い前作キャラも大量登場。ついにスザクやナナリーも登場した。
主に敵サイドだが、各キャラの思惑が複雑に絡まっているのが『コードギアス』らしい。
ストーリー
ちょっと中弛みしてる感が否めないのと、展開が早い気がする。回想シーンがバーっときて、皇サクヤがメンタルブレイクしたと思いきや、いつの間にか復調していた。笑
演出
演出は良い意味で「普通」。派手な演出は抑えながらも、ところどころで目を引く画面構成になっているから中々飽きない。エロの使い方が上手い。笑
サクヤが縛られているシーンとか、ハルカのお尻は完全に狙ってる。
キャラ
このペースでストーリーが進むとなると、七煌星団があまり深掘りされないまま終わりそうな気がする。特にハルカの扱いが気になる。『反逆のルルーシュ』で言うところのカレン的な扱いなんだろうけど、カレンほど目立ってはないよね?
音楽
主題歌と劇伴は変わらず。この辺はクライマックスのサプライズに期待したい。
『奪還のロゼ 第3幕』の感想
※ネタバレ注意!
ストーリーが中弛みしてきた
『奪還のロゼ』は全4幕を約4ヶ月以上かけて上映していくプロジェクトである。当初は色々とワクワクしたものの、物語が進んでいくにつれて中弛みしてる感じは否めず、特に回想シーンがメインになり始めてから、「なんだかなぁ」という気持ちになり始めた。
特に解せないのが、皇サクヤの立ち直りのシーンだ。アッシュの過去を知ったサクヤはメンタルブレイクするのだけど、その辺の葛藤がスッパリ抜け落ちているのである。まあ確かに、時間経過で悩みは解決するけれども! でもやっぱり、そこはちゃんと描きたかったはずである。
もちろん普通におもしろいし、少なくとも『亡国のアキト』よりは飽きないが、なんだかもったいない感じが否めない。本当だったら2クールかけた方がいいのだと思うけど、ディズニープラスのお金が入っているからか、配信向けに尺を短くしているということだと思う。
味方よりも敵キャラの方が魅力的
『反逆のルルーシュ』はゼロの騎士団もブリタニア帝国も超魅力的なキャラが揃っていた。一方で本作は、ネオ・ブリタニア帝国は個性が強いのに対し、七煌星団はどうも普通である。
ネオ・ブリタニア帝国ではアインベルクと呼ばれる騎士団がいて、これは全部で11人いる。一方で七煌星団もメインキャラっぽいのは10人いるが、その中でも印象に残るのはレジスタンス勢力の各団長とハルカぐらいだ。それでいてアインベルクはナインオブラウンズ以上に個性的なキャラが揃っている。
だから一見すると七煌星団は見劣りするのだが、ここでもし七煌星団がアインベルク並みに充実してしまうと、作品の規模が大きくなりすぎる懸念がある。1クールで『反逆のルルーシュ』のような群像劇を描くのは難しい。
それに本作では黒の騎士団も登場する。だから味方陣営の新キャラを少なめにして、バランスを取ったのかもしれない。
アインベルクに関しては、アッシュがアインベルク側にいたこともあって、もっと深掘りできるように調整されたのだと思う。
ただ、やっぱり七煌星団はもっと深掘りして欲しかったのが本音で、このままだと「特攻」とか「和」みたいなありきたりな印象しか与えられないと思う。
さいごに
少し弛んだ感じが否めない『奪還のロゼ第3幕』だが、作品全体を通した面白さは全く失われておらず、最終章への期待が高まる。平和的に終わるのか、それとも悲劇が待ち受けているのか。
ルルーシュとは違い、サクヤはダークヒーローではないから、当人が死亡することはないと思うんだけど、展開が予想できないのが『コードギアス』の魅力である。
いち早く『最終幕』を視聴したいと思う。