今回は『コードギアス 反逆のルルーシュR2(以下、ギアス2期)』について語っていく。『コードギアス1期』が2006年に放送されてから2年後の、2008年4月から9月の期間で『コードギアス2期』が放送された。スタッフの変更もほぼなし、『コードギアス1期』と同様の雰囲気で制作されている。また、あまりにも絶大な人気ぶりで『コードギアス2期』からは夕方枠での放送になった。
https://terukun.blog/geass/『コードギアス2期』の感想
感想①:戦闘シーンが全く飽きない
『コードギアス2期』のすごいところは戦闘シーンが全く飽きないところにある。通常、ロボット系アニメの戦闘シーンのバリエーションは非常に少ないケースが多い。例えば『グリッドマン』はセオリー通りの戦いしかしないし、変身シーンも使いまわしだし(それが良いんだけどね)。一方で、『コードギアス2期』の戦闘シーンは本当に想像がつかないというか、ルルーシュの思い通りにならないところがすごく良いのだ。
なぜ思い通りにならないのかと言うと、合理的に動くことができない人間の本質を繊細に表現しているからだと思う。自分の保身に動いたり感情的になってしまったりとかで、ルルーシュの予想外の出来事が頻繁に起こるのだ。しかも作中では突拍子もないタイミングでハプニングが起こるわけではなく、ちゃんと伏線を準備した上でハプニングを起こしている。これは本当に凄いことだと思う、あれだけの急展開を狙って演出しているのだから。
実はここから学べることはいくつかあって、そのうちの1つが政治だ。現代日本は中途半端な民主主義ということもあって、国民が合理的に動いてくれない。コロナ禍の問題もそうなのだが、僕が特に気になるのはキャッシュレス。どう考えてもキャッシュレスの方が便利なのに、国民の7割ぐらいがまだ現金に固執している。あれだけキャンペーンをやったのにもかかわらずだ。
「人間は誰もが合理的に動いてくれない」、これを肝に銘じておくだけでも生活がだいぶ変わってくる気がする。
感想②:超王道の落とし前END
やっぱりダークヒーロー系は落とし前ENDになると相場が決まっている。『BANANA FISH』とかね。そして落とし前ENDは一歩間違えると稚拙なものになってしまうのだが、『コードギアス2期』はちゃんとスマートにキメてくれた。
『コードギアス2期』ではルルーシュとスザクが『レクイエム・ゼロ』という落とし前をつけることにした。今までルルーシュは自分の顔を公にはせずに「ゼロ」という仮面のダークヒーローを名乗っていたので、ルルーシュ本人が世界を征服してしまっても、今までのゼロの印象が変わることはない。それを利用してスザクがゼロになりすまし、世界中の敵になったルルーシュを殺害することで、世界中の怒りや罪をルルーシュに押し付け消去することに成功したのだ。
その時の演出が素晴らしく、めちゃくちゃ泣けるシーンに仕上がっていた。僕は泣きはしなかったけれども、心にポッカリと穴が空いたような感覚になってしまった。
もちろん、このENDは私達視聴者目線ではキレイに終わったようにも思える。「コードギアスは完璧だ!」と称賛する人が多いのはこのENDの影響が大きいだろう。だが、ナナリーやカレン目線だとどうだろうか。当然、納得するはずがない。このウヤモヤをスッキリさせたのが完全新作の劇場版『復活のルルーシュ』なのだろう。
感想③:世界観の説明はスマートではなかった
ここまでずっと褒めてきたので、ちょっとディスってみる。『コードギアス2期』の終盤ではルルーシュの過去やギアスの実体がついに解明される。今まで謎の部分が多かった世界観がついに説明されるようになるのだ。ただこの説明があまりスマートではなかった。理屈は理解できるのだが、”急にスケールが大きくなった感”は否めない。
世界観の説明・伏線回収という点で言うと、『グリッドマン』は完璧だった。『グリッドマン』も終盤にかけて一気に伏線回収が進んでいくのだけれども、こちらも終盤で”急にスケールが大きくなった”。だけど、その伏線回収や世界観の広げ方があまりにもスマートで、スッキリと完結していた。これを1クールの中でやってしまったのだから凄まじい。
『コードギアス』もこれぐらいスマートに世界観を説明できていれば、文句なしの100点満点の作品になっていたと思う。
『コードギアス2期』の評価
作画 | 80点 |
世界観・設定 | 95点 |
ストーリー | 95点 |
演出 | 95点 |
キャラ | 90点 |
音楽 | 90点 |
作画
『コードギアス1期』と変わらないクオリティで安心。
世界観・設定
先程説明したとおり、世界観をもっとスマートにケリとつけれていれば100点満点だったと思う。
ストーリー
完璧すぎるほどの伏線回収に鳥肌が立った。『コードギアス2期』の1話で「?」がつくようなストーリーの始め方だったのも良かった。
演出
全体的に演出は良かった。というかストーリーが鮮やかすぎて……。これは演出もやりやすかっただろうな。
キャラ
最後の最後までルルーシュのインパクトが強かった。
音楽
『コードギアス1期』ほどではないのだが、それでも十分魅力的な楽曲だった。
さいごに
『コードギアス2期』は最後の最後まで読めないストーリー展開が魅力的だが、劇場版3部作や『復活のルルーシュ』でも先の読めないストーリー展開で制作されているのだろう。
『ギアス2期』の終わり方が完璧だから『復活のルルーシュ』を見ない、という人もいるのだが個人的には絶対見るべきだと思っている。ぜひ見てほしい。