今回は『ひぐらしのなく頃に卒(以下、ひぐらし卒)』について語っていく。前回の『ひぐらし業』は2020年秋クールから2クールに渡って放送。そして2021年夏クールで『ひぐらし卒』が放送された。
アニメ制作は『ひぐらし業』に引き続き、パッショーネが担当。メインスタッフの変更もない。
『ひぐらし卒』の感想
感想①:ラストをどう評価するべきか
『ひぐらし業』が出題編ということで、『ひぐらし卒』は解答編となった。とは言ったものの、沙都子が犯人であることが確定している以上、「驚きの真実!」みたいに演出されているわけではない。ただただ沙都子が狂っていくところを終始見せられている感じだ。
こんな感じに解答編が進んでいくのだが、『神楽し編』で沙都子と梨花の決着が着く。ただ、この決着の仕方がスッキリしないタイプのものだった。綺麗サッパリ仲直りするわけではなく、不完全燃焼のまま喧嘩が終わるのだ。良くも悪くもスマートではない終わり方だった。
一応ラストに、ひぐらしシリーズを代表する名曲である「you」のアレンジバージョンが流れた。僕は結構ジーンときた。だが、古参のファンが納得しないのもなんとなく分かる。このラストをどう評価するかによって『ひぐらし卒』の評価が大きく変わることになりそうだ。ちなみに”ひぐらし新参者”の僕は結構高く評価している。
感想②:壮大な喧嘩をしたセカイ系
『ひぐらし業』も含め、結局のところ『ひぐらし卒』は沙都子と梨花の壮大な喧嘩だったといえる。つまり、セカイ系だ。
セカイ系は現在、様々な解釈がされるようになっている。ちなみに僕は、”各キャラの自意識を、世界全体を使って表現すること”だと解釈している。『エヴァシリーズ』の碇ゲンドウや『涼宮ハルヒの憂鬱』の涼宮ハルヒのように、1人のキャラの心情を描くために世界全体を巻き込んでいくのだ(まあ、エヴァの場合色んなキャラの心情が描かれていると思うけど)。『ひぐらし卒』の場合は沙都子が該当するだろう。
沙都子は梨花と一緒にいたいがために何回もタイムリープするし、その度に惨劇を生み出してきた。まあ元々『ひぐらしシリーズ』は、雛見沢というクローズドな環境と無限タイムリープというある意味クローズドな世界観が魅力で、まあとにかくクローズドだった。ここから飛び出そうとしたのが梨花で、その梨花を縛り付ける最後の壁として沙都子が登場した。
そう考えるとセカイ系というわけではない気もする。だが、時間軸を考慮すればめちゃくちゃスケールのデカい話になるので、そう考えればセカイ系と解釈することも可能なはずだ。
『ひぐらし卒』の評価
作画 | 77点 |
世界観・設定 | 70点 |
ストーリー | 75点 |
演出 | 80点 |
キャラ | 77点 |
音楽 | 75点 |
作画
作画は良かった。終始安定していた。
世界観・設定
クローズドな世界観となっていた。『ひぐらし』らしさ全開だ。
ストーリー
伏線回収は良かったものの、沙都子が犯人であることが確定しているので、ある程度予想がついてしまった。
演出
グロ演出は流石。
キャラ
渡辺明夫のキャラデザは健在。
音楽
まさかyouが流れるとは…。OP・ED、どちらも良かった。
さいごに
ついに『ひぐらし』の新シリーズが終了した。原作者の竜騎士07先生によれば、アイデアが生まれた時に続編を制作するとのことなので、今後も期待していいだろう。