今回は『終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?(以下、すかすか)』について語っていく。『すかすか』の原作は角川スニーカー文庫で刊行されていたライトノベルだ。これが2017年春クールにアニメで放送された。アニメ制作会社はサテライトとC2Cが担当している。
『すかすか』の感想
感想①:Key作品に似たシナリオと世界観
『すかすか』は主人公のヴィレムとヒロインのクトリによるボーイ・ミーツ・ガールの物語だ。世界観や設定は少し複雑だが、王道展開であることは間違いない。アニメ界でいうなら、『CLANNAD』や『AIR』などのKey作品に似たシナリオとなっている。つまりギャルゲーのようなシナリオだ。
主人公は遠い昔に勇者に近い立ち位置であり、ヒロインの前世が魔王のような存在だったことも作中で明らかになった(詳しい設定はよく分からんけど)。そんな2人が出会い、恋に落ち、そして死に別れる。こんな感じの王道ストーリーになっていた。
このような作品が現代のライトノベルとして登場したのがちょっと面白い。全然ライトな感じがしない。笑
感想②:OP・EDの楽曲のセンスが良い
『すかすか』はOPとEDのセンスが非常にいいと思う。僕の中では「音楽制作がランティスだと大体アタリ」みたいになってきた。
OPはヒロインのクトリ役を演じる田所あずさの『DEAREST DROP』。イントロの雰囲気が最高だった。僕はカッコいい系のアニソンがあまり得意ではないのだけど、これは全然OK。
EDはTRUEの『フロム』。アニメEDには珍しく歌詞が挿入されている。これがメッセージ性の強調に繋がっていて、良い演出になっていた。EDのクセにイントロがめちゃくちゃ良いのも特徴だ。TRUEが手掛けるEDは個人的にかなり好みかもしれない。『転スラ』のEDの『Another colony』も良かったしね。
感想③:泣きはしなかったなぁ。
「『すかすか』は泣ける!』みたいなことをよく聞いていたのだが、僕は泣けなかった。僕は『まどマギ』もあまり泣けなかったのだけど、ファンタジーを交えた死に別れ系では泣けない人間なのだと思う。もちろんあのラストシーンはすごく感動したけどね。あのタイプのシナリオが心に響く人からしたら大号泣だろう。
あのシーンを1話の冒頭に挿入したのは凄い良かったと思う。ぶっちゃけ中盤はグダグダしてたので、冒頭で一気に作品に引き込んだのは正解だっただろう。視聴者としても「終盤に何かあるかも?」と思っちゃうので、途中切りにしづらくなる。
『すかすか』の評価
作画 | 75点 |
世界観・設定 | 80点 |
ストーリー | 80点 |
演出 | 70点 |
キャラ | 65点 |
音楽 | 80点 |
作画
作画は比較的丁寧な印象。戦闘シーンにもう少し力を入れてほしかったな。
世界観・設定
Keyらしさがあるファンタジーな世界観。それでいてどこか温かみもあって良い設定だと思う。
ストーリー
感動的なストーリーではあったが、世界観には入り込みづらい構成ではあった。
演出
最終回の演出は良かったと思う。中盤の演出はちょっと中途半端。もう少し控えめにするか、もう少し派手にするか、ハッキリさせた方が良かった気もする。
キャラ
みんな同じような顔をしてることもあって、キャラ人気とかそういうのはなさそう。
音楽
OP・ED、どちらもセンス溢れるものだった。特にEDはヤバい。TRUEの楽曲は大体アタリ。
さいごに
『すかすか』はバッドエンドのように終わってしまったが、この続きが原作で刊行され続けている。『すかすか」の世界観が好きな人は原作も購入して読むといいだろう。
ちなみに2期制作はおそらくないと僕は思ってます。