今回は『探偵はもう、死んでいる。(以下、たんもし)』について語っていく。『たんもし』はMF文庫で刊行されているライトノベルが原作となっており、ラノベ界では非常に有名な作品だった。これが2021年夏クールにアニメ放送される。アニメ制作会社はENGIだ。
『たんもし』の感想
感想①:PV詐欺的なやつ
『たんもし』のPVが発表されたとき「神作画なのでは!?」と話題になっていたのを覚えている。だが、僕はアニメ制作会社がENGIだと知り、ちょっと不安ではあった。ENGIは『フルダイブRPG』や『宇崎ちゃん』を手掛けている作品だ。これらの作品は確かに作画は悪くはないのだが、そこまで制作力のある会社とは思えなかったからだ。その不安は的中した。
『たんもし』の神作画だった飛行機内での戦闘シーン以降は、微妙な作画が続いた。1話のあの神作画はPV用のシーン、または序盤の引きつけのために力を入れていたのだろう。
そもそも僕は1話を視聴した段階で怪しい気配を感じていた。日常パートが全く面白くなかったのだ。
感想②:キャラの演技がとても平坦
なぜ日常パートが全く面白く感じなかったのか。それはキャラの演技に尽きる。これは声優が悪いのではなく、アニメ制作の問題だ。『たんもし』のような平坦な演技は、アニメ制作が非常にやりやすい。だがもちろん、コミュニケーションにリアリティが欠けるので、日常パートがつまらなく感じてしまう。
コミュニケーションでリアリティがある作品といえば『俺ガイル』なんかが良いだろう。マシンガントークのような時もあればゆったりしたテンポの時もある。画面越しでリアルな人間がやり取りしているかのような不思議な感覚を味わうことができる。
『たんもし』と同じクールの中では『ぼくリメ』も良かった。こちらはキャラの細かい部分の描写にこだわっていて、それに合わせて声優も演技しているように感じる。
もちろん、リアリティを含ませることでアニメ制作の難易度は一気に上がる。だが、それに見合った効果も期待できるのだ。
『たんもし』は静止画における作画は良いかもしれないが、動画における作画が微妙だ。最近こういう作品が増えてきている気がする。作画だけで作品を前評価していてはダメな時代になってきているのを『たんもし』で感じた。
『たんもし』の評価
作画 | 65点 |
世界観・設定 | 65点 |
ストーリー | 65点 |
演出 | 60点 |
キャラ | 65点 |
音楽 | 60点 |
作画
作画が良かったのは1話だけで、それ以降の作画は酷かった。キャラデザは良かった。
世界観・設定
原作の世界観は良いのだろうけど、それをアニメにうまく落とし込めなかったっぽい。
ストーリー
大まかなストーリー構成は良いが、細かい部分のやり取りが微妙。
演出
日常パートの演出が良くなかった。ここが改善されればシエスタの可愛さが何倍にも増した。
キャラ
キャラデザは良い。
音楽
音楽は普通。
さいごに
『たんもし』のクオリティ面ばかりの記事だったが、作品内容は結構魅力的だとは思う。だが、『たんもし』の場合は原作ライトノベル”だけ”を読んだほうが良いかもしれない。