身の丈に合った生活を送れば幸せになれる

今回は『有頂天家族2』について語っていく。

『有頂天家族』は森見登美彦の小説が原作で、2013年夏クールに『有頂天家族』が放送。そして2017年春クールにTVアニメ2期となる『有頂天家族2』が放送された。

アニメ制作は前作に引き続きP.A.WORKSが担当している。

目次

『有頂天家族2』の評価

※ネタバレ注意!

作画80点
世界観・設定80点
ストーリー83点
演出80点
キャラ80点
音楽80点
※個人的な評価です

作画

TVアニメ1期ほど「作画が凄い!」とはならなかった。TVアニメ1期は2013年、そして『有頂天家族2』は2017年というのも考えると、相対的には劣る気もする。

とはいえ、やはり作画のクオリティは高く、隙が一切ない印象だ。日常シーンでキャラデザが崩れることもないし、破茶滅茶なシーンはちゃんと破茶滅茶だった。

世界観・設定

元々『有頂天家族』は家族がテーマだけど『有頂天家族2』に関しては「親子」の要素が強かったように思える。また、狸・人間・天狗の関係の中で、天狗に焦点が当てられていたのも前作との大きな違いだ。

そして何と言っても、恋愛要素が多かったのも印象的。家族を作るには「恋愛→結婚」のプロセスが必要だから『有頂天家族』で描かないわけにはいかないだろう。

ストーリー

ストーリーは文句なし。前作を視聴していて雰囲気を掴んでいるので、最初から最後まで楽しめた。終盤の破茶滅茶な感じは前作に劣るけれど、その代わりに恋愛シーンがアツかった。

演出

P.A.WORKSの演出は、とても暖かい。『有頂天家族2』の雰囲気にマッチしている。変な言い方をするけど、P.A.WOKRSの演出は報酬系を煽らないもので、セロトニン的かつオキシトシン的なものなのだと思う。ガツっと来る感じではなく、ホロッと泣けてしまう感じだ。これがたまらないんだよなぁ。

キャラ

キャラは相変わらず強烈。そのうえ、新キャラまで登場して、よりカオスになった。個人的には赤玉先生の株が爆上がり。

音楽

OPの『成るがまま騒ぐまま』は下鴨矢三郎って感じがして、僕が結構好きな雰囲気の楽曲である。EDの『ムーンリバー』も弁天を如実に表現している感じ。そして『有頂天家族』は、何と言ってもBGMが良い。シンプルなのに、めちゃくちゃ良いんだよな。

『有頂天家族2』の感想

※ネタバレ注意!

赤玉先生の株が爆上がり

個人的に『有頂天家族2』で、赤玉先生の株が爆上がりした。

そもそも赤玉先生は、元々は大天狗であり、絶大な力を有していた。しかし弁天が策略した「魔王杉の事件」によって腰を壊し、今はボロアパートの一部屋でぐーたらでどうしようもない生活を送っている。そのうえ、狸や人間のことを見下すのだからまさに天狗だ。

しかし、本当にたまーに、赤玉先生は暖かい一面を見せることがある。『有頂天家族』のTVアニメ1期でも、赤玉先生が総一郎を惜しむシーンは格別だった。

そして『有頂天家族2』で印象的だったのが、第五話『続・大文字納涼船合戦』でのお見合いシーン。下鴨家の両親も赤玉先生のおかげで結婚することができたらしい。

毛玉というのは、まことに世話の焼けるものだ。好きなら好きと言え。

(中略)

当たり前である。わしは偉いのである。

ふん。勝手に幸せになるがいい。

『有頂天家族2』より引用

弁天と二代目の関係性は?

赤玉先生で印象的なシーンはもう一つある。それは第十二話『運命の赤い糸』で息子である二代目に暖かい言葉をかけるシーンだ。

悔しいか。悔しかったら強うなれ。

『有頂天家族2』より引用

しかしそもそも、二代目と弁天は一体どのような境遇だったのだろうか。

まず二代目は、現代から100年前に弁天似の英国令嬢に恋をしていた。しかし赤玉先生がそれを許さず大喧嘩。それで敗北した二代目はイギリスに飛び立ってしまう。そしたら今度は英国を旅行していた弁天に遭遇することに。だが弁天は赤玉先生と繋がりがあることから、二代目はまたしても赤玉先生を強く恨むようになる。こうして二代目が帰朝したわけだ。

一方の弁天は、常に何か(有り体に言えばパートナー)を欲しているものの、それを手に入れられずにいた。それこそ「食べちゃいたいほど好きなのだもの」だから、どうしようもない。そしてそんな弁天が可能性を見出したのが、二代目だった。実際、二代目は100年前の記憶があるので弁天のことを少なからず気にしている(ように振る舞う)。だが結局は英国令嬢のことがずっと気がかりなので、弁天はそれが気に食わない。それに加えて、狸たちが二代目を推挙するものだから、余計に気に食わない。

以上の観点から、二代目と弁天は激しく衝突することになる。そして最終的に二人とも凄惨な結果になってしまったのは言うまでもない。

二代目は100年間築き上げてきた英国の想い出を自らの炎で失ってしまう。一方の弁天は、二代目がキスすると見せかけて髪を燃やされたことで、女としてのプライドをひどく傷つけられてしまったというわけだ。

『有頂天家族2』から得られる教訓

では『有頂天家族2』から得られる教訓は一体何なのだろうか。

まず『有頂天家族』において痛い目を見ているのは、自分の立ち位置を無理に変えようとしているキャラである。狸である早雲は人間になろうとしたし、人間である弁天や二代目も天狗になろうとした。その一方で、狸らしい阿呆な生活を心がける下鴨家などは、ちゃんと幸せに生活している。このことから「身の丈に合った生活を送れば幸せになれる」という教訓が得られると思う。

しかしだからと言って、早雲、弁天、二代目が完全に悪いわけではない。上位を目指すことは、我々が住む現代社会でも決して悪いことではないはずだ。

だが、立ち振る舞いは考えなければいけないだろう。本当の上位を目指すには、とにかく謙虚に、かつ努力を怠らないようにしなければならない。弁天と二代目は中途半端に力を手にしてしまったから、中途半端な半天狗になり、中途半端に人を見下すようになってしまった。これが良くない。

一方で赤玉先生が人を見下すのは問題ない。なぜなら赤玉先生は本当に偉いからだ。狸よりも人間よりも上位の存在である天狗なのだから、人間や狸を見下して当然だし、それは何も悪いことではない。

もし、身の丈に合った生活を抜け出して、上位を目指したいのであれば、常に謙虚に、かつ努力を怠らないことがキーになる。そして本当の上位になるまでの間、おそらく幸せを手に入れることはできない。だから上位を目指す道というのはとても過酷で、結局、多くの人は下位に落ちてしまうのである。

はたして二代目と弁天は天狗になれるのか。それとも人間に戻るのか。これはぜひとも続編を期待したい!

さいごに

『有頂天家族』の続編制作は決まっていないし、そもそも原作ストックがない。一応『有頂天家族』は三部作構成らしいので、全ては森見登美彦の気分次第というところである。気長に待つしかないだろう。

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