【ヤマノススメ4期感想】5分枠から30分枠へ、山に登りたくなるアニメ

ヤマノススメ4期

今回は『ヤマノススメ Next Summit(以下、ヤマノススメ4期)』について語っていく。

『ヤマノススメ』はしろによる漫画が原作だ。2013年冬クールに5分枠アニメとして『ヤマノススメ1期』が放送されたあと、2014年夏クールから2クールにかけて15分枠アニメで『ヤマノススメ2期』、2018年夏クールに15分枠アニメで『ヤマノススメ3期』が放送された。

そして2022年秋クール、ついに30分枠アニメで『ヤマノススメ4期』が放送される。アニメ制作会社はエイトビットが担当した。

目次

『ヤマノススメ4期』の評価

※ネタバレ注意!

作画80点
世界観・設定80点
ストーリー80点
演出80点
キャラ85点
音楽75点
※個人的な評価です

作画

『ヤマノススメ』はエピソードによって作画のテイストが大きく変わるから面白い。本当に遊び心に溢れていると思う。

特に#7の『クラスメイトと山登り!』は相当遊んでいる。こういうのが”アニメーション”って言うんだよね。ちなみにこの『クラスメイトと山登り!』は”ちな”というアニメーターが脚本・絵コンテ・演出・作画監督を務めている。『ヤマノススメ3期』でも素晴らしいアニメーションで魅せてくれた将来有望なアニメーターだ。

世界観・設定

登山をモチーフにした世界観は相変わらず。『ヤマノススメ4期』は登山のオフシーズンが駆け足で紹介されていたけれど、秋冬でも登山を楽しめるのが意外だった。JKが冬の高尾山を登れるんだから、僕も普通に登れそうだ。『JK×〇〇』の良いところは、「JKにできるなら!」という気持ちにさせてくれるところにあると思う。

ストーリー

5分枠アニメからスタートした『ヤマノススメ』だが、『ヤマノススメ4期』でついに30分枠アニメとなる。ただし実際は、前半後半でエピソードを分けることが多かったため、15分枠アニメを2回連続で放送しただけの構成ではあった。

なだ、5分枠や15分枠などで可能な限り面白い脚本作りを試みてきた経験があるからか、とても濃密なシナリオだった。マジでめちゃくちゃ面白い。

演出

先ほども述べた通り、5分枠や15分枠の経験を活かし、それでいて遊び心もある。それが演出にも活きていた。

『ヤマノススメ4期』では度々、キャラがよく動くエピソードがあるのだけれど、そのエピソードの演出が良い。かといってキャラがあまり動かないエピソードでも、それはそれでキャラが可愛らしく描かれている。

全体を通してみると、『ヤマノススメ3期』よりもケレン味が強化されていたのも印象的。

キャラ

これまでの『ヤマノススメ』は、なんだかんだであおいとひなたが深掘りされていたけれど、『ヤマノススメ4期』ではサブキャラも深掘りされた。具体的にはクラスメイト3人組や登山部部長の小春、バイト先の先輩・ひかりなどだ。小春に関しては唐突に登場してきた感じがあるけれど、強く印象に残った。

それと『ヤマノススメ4期』では、これまでよりも頻繁に髪型が意識されていた。そうなんです。日常系アニメはキャラの髪型を変えていくべきなのです! 『ごちうさ』みたいに。

音楽

主題歌や劇伴はぼちぼち。

それよりもEDの映像が素晴らしく良い。毎回エンディングの映像……というか静止画が変わるのだけれど、これがめちゃくちゃ癒される。しかも興味深いのは、静止画の枚数がめちゃくちゃ多いこと。1カットあたりの時間がめちゃ短いので、見ていて飽きない。

『ヤマノススメ4期』の感想

※ネタバレ注意!

猛烈に山に登りたくなる

僕はすぐ影響されてしまうタイプで、アニメから影響を受けてしまうこともしょっちゅうだ。それで『ヤマノススメ4期』を視聴していると、猛烈に登山したくなる。

しかも僕は神奈川県に実家があるため、『ヤマノススメ』で登場した山々には基本的にアクセスできる。そのうえ僕は旅をしている関係で、服装も自然とアウトドア寄りになっている。つまり、いつでも登山に臨めるのだ。

ちなみに『ヤマノススメ4期』で登場した鍋割山には、僕も行ったことがある。あそこの鍋焼きうどんは、確かに格別だった。でも写真撮影とかしてないから、また行かないと。笑

さてさて。『ヤマノススメ4期』までで数々の山が登場した。僕はアニメの聖地巡礼も趣味になっているので、これらの山々にはしっかり訪れていきたいと思う。

ショートアニメの数少ない成功例

『ヤマノススメ』はショートアニメの数少ない成功例として、今後、多くのクリエイターが参考にする作品になると思う。

まず5分枠アニメからスタートして、そこから着実にステップアップし、最終的に30分枠アニメで放送した過程が素晴らしい。5分枠アニメは当然のことながら、小規模の予算でスタートすることができる。それでファンの様子を見て、少しずつ規模を大きくするというのは、ビジネス戦略としてアリだ。

また、5分枠アニメからスタートしているため、限られた時間の中でファンを惹きつける演出・脚本の経験を積むことができる。しかも現代人は短い動画を求める傾向にあるため、ショートアニメの相性は良い。

あとはテレビが勝手に作った1時間枠や30分枠みたいなものを、アニメ文化から排除できれば、ショートアニメや45分枠アニメのが受け入れやすくなる。実際、インターネット配信に限定すれば、テレビが決めた時間枠にこだわる必要はない。

『ヤマノススメ』の場合、作品としてのテーマ性も優れていたし、聖地巡礼を全面的に推していたのも良かった。おかげさまでアニメファンだけでなく、登山・アウトドア関係者や飯能市のバックアップを得ることができている。

それでいて挑戦的なアニメーション表現を試みているのだから最高だ。あとは音楽も挑戦的だと文句はないのだけれど、これはまあしょうがない。

おそらく今後、『ヤマノススメ』のようなショートアニメが登場すると僕は考えている。もしかしたらのもしかしたらで、ショートアニメが覇権を取ることもあるかもしれない。

さいごに

最終回のあの流れを見るに、『ヤマノススメ』のTVアニメ5期が制作されることはないと思う。売り上げ次第で、劇場版かOVAというところだろう。

正直、僕はいまちょっとした『ヤマノススメ』ロスに陥っている。雪村あおいが僕の推しの一人だからだ。

ただ、まあしょうがない。乗り越えるしかない。ひとまず『ヤマノススメ』のTVアニメで登場した山は全部登ろうと思う。もちろん、富士山も!

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