小林さんちのメイドラゴンS(TVアニメ2期)評価:感想→脳がとろける

星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

今回は『小林さんちのメイドラゴンS(以下、メイドラゴン2期)』について語っていく。前回の『メイドラゴン1期』は2017年冬クールに放送。それから4年後の2021年夏クールに『メイドラゴン2期』が放送される。

アニメ制作会社は『メイドラゴン1期』に引き続き京都アニメーションだ。2019年の放火事件から初めてのTVアニメとなる。京アニの復活作ということで、世界中のアニメファンが待ち望んでいたことだろう。そしてその期待を裏切らない素晴らしいクオリティだった。

目次

『メイドラゴン2期』の感想

感想①:クレジットで感動する

『メイドラゴン2期』は京アニの復活作ともいえる作品だ。そして『メイドラゴン1期』の監督を務めていた武本康弘監督は、あの火災事件で亡くなってしまう。それを引き継いだのが石原立也監督だ。石原監督は『AIR』『CLANNAD』『ハルヒ1期』『日常』など、京アニ全盛期の作品を作りまくってきたマジですごい監督だ。

そして『メイドラゴン2期』の1話が放送され、OPが流れてくる。OPはfhánaの『愛のシュプリーム』だ。『メイドラゴン1期』の『青空のラプソディ』と同じように、非常に明るいメロディー。
そして当然のことながらクレジットが記載されているのだが、そこに『シリーズ監督』として武本康弘監督のクレジットが記載されていたのだ。この粋な演出で京アニの復活をより感じることができた。

感想②:『メイドラゴン1期』に比べるとメッセージ性が強い

『メイドラゴン1期』と比べると、『メイドラゴン2期』はメッセージ性が強いように思える。おそらく、各話である程度のテーマがあって、そのメッセージが色んな所に散りばめられてあるのだ。

例えば、『メイドラゴン2期』ではドラゴン達の過去が明らかになってくる。『メイドラゴン2期』におけるドラゴンは超人の域に達している。この超人というのは能力的な意味はもちろんだが、精神的な意味も含まれている。自分に自信を持ち、合理的に行動することができるのだ。一方で人間は、非合理的で感情的で愚かな生き物であることが比喩されている。ドラゴンたちの解釈では「たまに面白いものを作る生物」というイメージで、確かにそれはその通り。
しかし、本編ではドラゴンたちは人間の世界に馴染んで人生を楽しんでいる。これが何を表しているのかというのは解釈が異なるだろうが、人間の当たり前のような生活は超人たちのドラゴンでも楽しいものなのかもしれない。なぜなら家族といった共同体のコミュニティの暖かさがあるからだ。

現代では個人主義の時代が到来すると言われている。これは人の流れがより流動的になることを指し、『弱いつながり』をたくさん持つことを推奨する識者も多い。そこに一石を投じたのが『メイドラゴン2期』だ。僕は個人主義の時代に備えて色々と人間関係を整理し始めようと思っていた。
だが、『メイドラゴン2期』はその真逆。個人主義だったドラゴンたちが人間世界に馴染む風景を描いている。

といったように『メイドラゴン2期』が深く考えさせられる内容だったのは言うまでもない。流石京アニだし、設定の面で言えばクール教信者先生も流石だ。

感想③:1話あたりの内容がとにかく濃い

『メイドラゴン2期』はとにかく1話のボリュームが濃い。基本的には前半パートと後半パートでストーリーが分かれていることがほとんど。先程紹介したようにメッセージ性が強いストーリーは前半パートであることが多い。後半パートはギャグ強めのイメージがある。

あまりにも内容が濃すぎて「あれ、まだ半分なの?」みたいな感覚になることが非常に多かった。これは通常「詰め込みすぎ」と言われるはずなのだが、『メイドラゴン2期』はそう感じない。2021年夏クールの中でも別格のボリュームだった。

『メイドラゴン2期』の評価

作画92点
世界観・設定90点
ストーリー88点
演出90点
キャラ90点
音楽90点

作画

流石京都アニメーション。2021年夏クールの中でも別格の作画力。細かい感情表現が巧み過ぎる。

世界観・設定

世界観・設定も文句なし。メッセージ性を感じた。

ストーリー

1話あたりのボリュームがまあ凄い。「あれ、まだ半分なの?」みたいな感じになる。

演出

演出も流石。シリアスパートはもちろんのこと、日常パートが良いんだよね。

キャラ

『メイドラゴン1期』に比べて、満遍なくキャラが好きになった。推しが選べない。

音楽

OP・ED、どちらも良かった。最終話で『青空のラプソディ』が流れるのは既定路線だけどやっぱり痺れる。

『さいごに』

ついに『メイドラゴン2期』が終わってしまった。あれだけOP・EDをスキップしなかった作品も中々なかったのだが…。

さて、果たして『メイドラゴン3期』は制作されるのだろうか。それとも『劇場版メイドラゴン』が制作されるのだろうか。中国で大人気なので資金面は問題ないはずだ。まあ、気長に待とうと思う。

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