コメディに重きを置いた劇場総集編

劇場版中二病でも恋がしたい!
星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

今回は『小鳥遊六花・改 〜劇場版 中二病でも恋がしたい!〜(以下、小鳥遊六花・改)』について語っていく。

『中二病』はKAエスマ文庫で刊行されている小説が原作で、2012年秋クールにTVアニメ1期が放送。そして2013年9月に、TVアニメ1期の総集編である『小鳥遊六花・改』が上映された。

アニメ制作は京都アニメーションが引き続き担当している。

目次

『小鳥遊六花・改』の評価

※ネタバレ注意!

作画90点
世界観・設定85点
ストーリー85点
演出85点
キャラ90点
音楽78点
※個人的な評価です

作画

『小鳥遊六花・改』はTVアニメ1期の総集編ではあるものの、新規カットが大量に挿入。しかもこれらのカットは実質的な戦闘シーンなので、作画カロリーは重め。映像を純粋に楽しむことができた。

世界観・設定

小鳥遊六花が、TVアニメ1期の物語を振り返っていくという設定。総集編にありがちなやつ。ただし、新規カットがたっぷりだったので、飽きることはなかった。

ストーリー

小鳥遊六花と富樫勇太の関係性にフォーカスした総集編だった。面白いのは、シリアスパートだけでなく、ストーリー進行に関係ないコメディパートもたっぷり使われていたこと。『中二病』はあくまでも”ラブコメディ”だから、これで正解かもしれない。

演出

新規カットの演出は普通に良かった。あと、くみん先輩や凸守などの紹介を早回しで紹介する演出は、少々雑のようにも見えるけれど、まあ良かったと思う。ただ、少なくとも『中二病』を見たことがない人が存分に楽しめる作りではない。まあ、それでいいと思うけれど。

キャラ

やっぱり『中二病』はキャラが立っている。小鳥遊六花はもちろんのこと、凸守、丹生谷、くみん先輩、富樫勇太など、全員好きになれる。

個人的に「ラブコメは主人公の魅力で全て決まる」と考えているのだけれど、『中二病』は富樫勇太が非常に良いキャラをしている。

音楽

主題歌は、まあ普通。少なくとも『Sparkling Daydream』ほどの衝撃はない。

『小鳥遊六花・改』の感想

※ネタバレ注意

コメディに重点を置いた総集編

個人的にTVアニメ1期は、思っていた以上に重いストーリーだった。当初の僕は、日常系アニメに毛を生やしたような雰囲気だったと思っていたのだ。しかし『中二病1期』は、”中二病”というテーマで、高校生特有の葛藤をシリアスに描いていた。

もちろん、それはそれで普通に面白かったので文句はない。しかし、やはり重い雰囲気が続いていくので、楽しい気分で見るのは難しかった。

ところが『小鳥遊六花・改』では、またまた僕が思っていた以上に、シリアスパートがカットされていた。

通常、この手の劇場総集編は、コメディパートをカットしてシリアスを優先しがちなものである。『境界の彼方』とかが典型例だ。

しかし『中二病』は、かなりコメディに寄っている。Wikipediaによると「尺の問題からストーリーを追うことは困難だと判断してシリアスな展開は取り入れなかった」とのこと。だが、それ以上に『中二病』という作品が、ラブコメという名のコメディ作品である、というのが大きいように感じる。

やっぱりキャラがいい

『小鳥遊六花・改』を見ていて「『中二病』はやっぱりキャラが良いなぁ」と感じた。

特に凸守とくみん先輩。この2人はアニメオリジナルキャラなので、京アニが独自の判断で組み込んだということになる。どちらも非常に癖が強い。凸守に関しては、丹生谷と六花を引き立てる役割があるので、非常に重要なキャラだと言える。

それと、六花の姉である小鳥遊十花もアニオリキャラ。十花がいることで、あの”良い意味で無駄な戦闘シーン”を描くことができるので、やはり存在は大きい。

富樫勇太も、『コードギアス』のルルーシュ役・福山潤を声優起用したことで、魅力がより高まった。これも京アニの判断だろう。

やはり京アニの原作加工力は凄まじいと感じさせられた。

さいごに

『小鳥遊六花・改』の次はTVアニメ2期だ。富樫勇太と小鳥遊六花が付き合ったので、コメディ重視になることが予想されるが、はたしてどのようなストーリーになるのか。楽しみにしたいと思う。

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