紅魔族だけだとツッコミ役がいない

この素晴らしい世界に爆焔を!
星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

今回は『この素晴らしい世界に爆焔を!(以下、このすば爆焔)』について語っていく。

『このすば』は小説家になろうで投稿されていたWeb漫画が原作で、2013年から2020年まで角川スニーカー文庫で刊行された。

そして2016年冬クールにTVアニメ1期、2017年冬クールにTVアニメ2期が放送。2019年には劇場版が公開され、2024年にTVアニメ4期が放送予定となっている。

ということで『このすば』のスピンオフである『このすば爆焔』も、2023年春クールで放送されたというわけである。アニメ制作はドライブが担当した。

目次

『このすば爆焔』の評価

※ネタバレ注意!

作画65点
世界観・設定65点
ストーリー70点
演出75点
キャラ80点
音楽70点
※個人的な評価です

作画

『このすば』という感じのふざけた作画。めぐみんがエクスプロージョンを初めて撃つ第5話以降から作画がマシになった印象を受けた。まあ『このすば』の場合、これぐらい緩い作画でも問題ないだろう。

世界観・設定

めぐみんが主人公ということで、必然的にゆんゆんの登場回数も多くなる。そしてめぐみんとゆんゆんの友情?がテーマになっていた。めぐみんがエクスプロージョンに憧れるきっかけも描かれた。

ストーリー

僕は原作小説も読んでいたので、ストーリーは理解できた。でも多分、アニメだけ視聴した人だと、ちょっとついていけない部分があったのではないだろうか。特にこめっこと悪魔の絡みをカットするのは解せない。あれだと悪魔がなぜこめっこのことを知っているのかがよくわからないではないか。

実際『このすば爆焔』のストーリー構成はちょっと謎である。『このすば爆焔』の原作小説は3巻存在し、それが全12話に収まっている。普通に考えれば1巻あたり4話だが『このすば爆焔』は1巻に5話、2巻に4話、3巻に3話という構成になっていたのだ。それだったら、序盤の冗長的な日常シーンをちょっとカットして、そこにこめっこのシーンを挿入すればよかったのではないだろうか……と思う。

演出

やっぱりギャグの演出は面白い。特に、めぐみんが紅魔族の里から出て、アルカンティアに向かい始めるあたりからギャグが面白くなる。

『このすば爆焔』も本編同様に、会話のスピード感が工夫されているのが良い。

キャラ

『このすば』の中で最も人気のあるめぐみんが主人公ということで、ウケは良かっただろう。また、個人的にはセシリーが好み。そしてまた個人的だけど、豊崎愛生が好きなので、ゆんゆんも良かった……。あとはこめっこをもっと押し出していたら、完璧だったと思う。

音楽

OPの『STAY FREE』は『このすば』って感じの曲。そしてED『JUMP IN』が、これまた癖が強い。現代的な脱力系のサウンドだった。

『このすば爆焔』の感想

※ネタバレ注意!

紅魔族だけはキツい……

個人的に『このすば爆焔』は序盤よりも中盤以降の方が楽しめた。むしろ序盤はある意味、地獄だった。紅魔族の里が舞台になっているため、頭のおかしい紅魔族しかいない。つまり、まともなキャラがほとんどいないのだ。

一応ゆんゆんがツッコミ担当なのだと思うけれど、頭のイかれた紅魔族を制御できるほどのツッコミ力は兼ね備えていない。それとめぐみんは一応ツッコミもできるキャラだが『このすば爆焔』に関しては基本的にボケで回っていた。

ということで、紅魔族の里編ではひたすら締まりの弱い展開が続いてしまったのである。

この流れが変わったのは、やはりめぐみんが紅魔族の里から出たところだ。しかも案の定、超絶癖の強いアクシズ教徒の拠点であるアルカンレティアだったのが良い。これでめぐみんがツッコミに回ることができたので、締まりのある展開が可能になった。

それにアクシズ教徒が登場してから『このすば』らしいテンポ感のあるギャグが増えてきたのも好材料。

そしてアクセルに着いてから、たまーに登場するカズマとアクアがやっぱり面白いのだ。やはり『このすば』には、強力なツッコミ力を持つカズマが必要だったのである。

『このすば爆焔』のタイミングは完璧

原作小説を読んでいる僕からすると、今回の『このすば爆焔』の映像化のタイミングは完璧だ。『このすば爆焔』のキーになるフードを被った女性は、当然のことながら本編に登場する。具体的には原作小説9巻で『このすば爆焔』の伏線が全て回収されるのだ。

現在『このすば』は5巻まで映像化しているので、あと4巻で9巻に達する。『このすば3期』で4巻分やって9巻に到達させるのか。それとも従来通り1クール2巻計算だとして、2クールかけて9巻まで到達させるのか。どちらなのかはわからないが、どちらにせよ『このすば爆焔』の映像化のタイミングは良かったと思う。

ちなみに個人的にはバニルが主人公である『この仮面の悪魔に相談を!』を映像化してほしいなぁと思う。

さいごに

『このすば爆焔』は『劇場版このすば』が上映されてから4年ぶりの『このすば』だった。「もう映像化されないのかなぁ」と思っていたけれど、原作完結後でも大人気ということもあり、無事に映像化が始まった。

できれば原作ラストまで映像化してほしいところだけれど、そこまでの欲は出さないようにしよう。

『このすば3期』は2024年に公開される予定なので、気長に待とうと思う。

この記事をシェア
目次