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映画 聲の形(アニメ)評価:感想:レビュー→賛否両論の内容だが…

聲の形

今回は『聲の形』のアニメ映画について語っていく。

『聲の形』は、大今良時先生による漫画が原作で、週刊少年マガジンで2013年から2014年まで連載されていた。

これが2016年にアニメ映画が上映される。アニメ制作は京都アニメーション、監督は山田尚子が担当した。

『聲の形』の感想

ネタバレしているので、未視聴の人は気をつけてください!

感想①:現代的な人間関係を描く

『聲の形』は、アニメの中でも、賛否両論で荒れた作品だといえる。なにしろ、障がい者やイジメを題材にしたストーリーだ。「障がい者が不快になる!」「いじめられてた人の気持ち考えて!」という意見が出るのも当然だろう。

それでも『聲の形』は、絶対に評価されるべき作品だ。障がい者についてはもちろんのこと、現代的な人間関係についても深く考えさせられる。ここまで丁寧に人間ドラマが描かれているアニメはかなり少ない。

どの辺が現代的なのかを説明したいが、その辺の言語化は非常に難しい。『聲の形』の中で言うなら、西宮硝子(CV.早見沙織)と植野直花(CV.金子有希)の関係性が印象的だったので紹介しておく。
2人はお互いのことが大嫌いだけど、石田将也(CV.入野自由)という共通点がある以上、ある程度の関係である必要がある。だから「仲直りはしないし、これからもお互いを嫌い続けるけど、それなりに仲良くしようね」という結論を出した(と僕は解釈した)。

これがベストな選択だったかは分からない。だが少なくとも2人にとって、過去と決別することができたことは事実。前を向いて生きることが、やっとできるようになったのだ。

このようにして、現代的な人間関係について提示したのが『聲の形』の特徴だといえる。

感想②:製作委員会の構成を見て感じたこと

個人的に気になったのは、製作委員会の構成だ。

京都アニメーションは、自社で権利を保有するために、2010年代から自社レーベルのKAエスマ文庫作品のアニメ化を進めていた。『Free!』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』が代表例である。

でも『聲の形』は講談社の作品だ。ということで、「講談社が出資をゴリ押ししてくる可能性もあるかな」と思っていた。

しかし全然そんなことはなかった。EDのクレジットの製作委員会の順番を見るに、京都アニメーションが最も出資していたし、講談社は最も少額の出資だったのだ。それでいて興行収入が23億円を超える大ヒットになったわけなので、京アニが美味しかったのは間違いない。

それにWikipedia先生によると、京アニのプロデューサーが講談社に企画を持ち込んだことが始まりらしい。『聲の形』に注目したのは、流石京アニという感じ。見る目がありすぎる。

さて、僕としてはアニメが好きなので、京アニが美味しい思いをするのは全然OKだ。だがその一方で、「講談社はなぜ、マガジン作品のメディアミックスを本気でやらないのか」という疑問が残る。

マガジン作品のTVアニメといえば、『五等分の花嫁』『東京リベンジャーズ』が話題になっている。だがどの作品も、アニメのクオリティが決して高いわけではなく、むしろ下の中か中の下ぐらいだ。おそらく、マガジン作品のメディアミックスは、”そういう方向性”なのだろう。

『聲の形』も、マガジンではなく京アニが企画を持ち出している。ジャンプ作品のメディアミックスの躍進ぶり、そしてマガジン作品のポテンシャルを考えると、マガジンはもっとメディアミックスに力を入れるべきだと思う。

『聲の形』の評価

作画90点
世界観・設定95点
ストーリー93点
演出90点
キャラ90点
音楽84点

作画

作画は、流石の京アニクオリティ。ただし、同年に上映された『君の名は』に比べると…って感じ。岡田斗司夫も言っていたけど、映画ならではのインパクトに欠けていた。

世界観・設定

ろうあ者を題材にした上で、複雑な人間関係が設定されている。それでいて京アニらしい現代的な描写となっていて、なんというか、芸術的な世界観だった。

ストーリー

2時間越えの長尺だけど、あの複雑な人間ドラマを描いていることを考えると、相当濃密な2時間だったといえる。構成はほぼ完璧だったといえるだろう。ただ、感動要素をもう少し強めても良かった気はする。

演出

音を最大限活用した演出だ。映画館で視聴したかった。それと、山田尚子監督らしく、足を利用した演出も多く見受けられた。キャラが目線を下に向ける際、自然と足が見えるわけなので、『聲の形』と山田尚子は抜群の相性だったといえる。

キャラ

萌え要素の入ったキャラデザだった。なんで京アニが作るキャラは、こんなに可愛くなるのだろう…。

音楽

BGMの使い方がかなり好き。特に冒頭部分で、将也が思う存分暴れまくってるシーンの楽曲のセンスが良い。

さいごに

マガジン作品のアニメの中でも『聲の形』は段違いのクオリティだし、僕の知る限りはNo.1の作品だと思う。そして現在『不滅のあなたへ』のメディアミックスが展開中だ。アニメのクオリティのレベルはそこまで高くないけれど、原作の質の高さが窺える作品となっている。『聲の形』が響いたのなら、『不滅のあなたへ』もぜひ鑑賞してみてほしい。

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