【このすば3期感想】5年ぶりの続編!原作ラノベよりも……

このすば3期
星島てる
アニメ好きの20代。ライターで生活費を稼ぎながら、アニメ聖地の旅に出ている者です。アニメ作品の視聴数は600作品以上。

今回は『この素晴らしい世界に祝福を!3(以下、このすば3期)』について語っていく。

『このすば』は暁なつめによるライトノベル(角川スニーカー文庫)が原作で、2016年冬クールにTVアニメ1期、2017年冬クールにTVアニメ2期が放送。2019年8月には劇場版も公開された。

そして2024年春クールに『このすば3期』が放送される。

アニメ制作は『この素晴らしい爆焔を!』を担当したドライブが担当している。

目次

『このすば3期』の評価

※ネタバレ注意!

作画58点
世界観・設定・企画70点
ストーリー70点
演出70点
キャラ70点
音楽75点
※個人的な評価です

作画

相変わらず作画のクオリティは低い。TVアニメ2期が放送された2017年なら許されると思うけど、2024年で他のアニメが品質をどんどん向上させている中で、この仕上がりはなんだかなぁという感じである。

これまでは「このすばはこれぐらい雑でいい!」で許されていたと思うけど『ぼっち・ざ・ろっく!』みたいな「本物」が出始めてるから、流石に品質を向上させないと、色々ともったいないと思う。

世界観・設定・企画

原作通りに、少しずつラブコメ展開を強めている。前回の劇場版はめぐみんということで、今回はダクネスだ。なんだかんだで『このすば』はラブコメ需要があると思う。その気持ちは僕もわかる。でもそれをやるならダクネスの夜這いシーンはもっと力を入れてほしかったな。笑

ストーリー

相変わらず尺をたっぷり使う。今回は6巻と7巻のエピソードを全11話でやってるから、これまで以上に尺を確保できている。4期もやって9巻まで帳尻をあわせる感じか?

演出

おそらく、あまり予算を確保できていない中で、できる範囲での演出にチャレンジしていたと思う。僕としては、1話の中で1回は笑うのだけど、でもそれは原作の影響が極めて強いと思う。

キャラ

『このすば』のキャラデザは、本当に難しいと思う。原作ラノベみたいに丁寧にやったら緩急をつけづらい。一方で本作みたいに緩すぎると、それはそれでなんだかなぁという感じになる。だから本当は『このすば』は、映像化が難しい作品なのではないだろうか。

ちなみに声優の演技は「アドリブに見せてる感」が、今回は強かった気がする。

音楽

OP『Growing Up』は、これまでのOPを継承しつつ、Machicoの良さをしっかり引き出しているように思う。Aメロが個人的に好きなのだけど、Aメロ先行で曲を作ったのかな?

ED『あの日のままのぼくら』は、いつも通りカントリーソングみたいな感じ。映像はシリアス重視の方がよかったと思うけど。

『このすば3期』の感想

※ネタバレ注意!

低品質はもう許されない、でもおもしろい

先ほども述べた通り、もう低品質は許されない次元にきたと思う。もちろん、以前より『このすば』を見ていた人は、雰囲気だけで楽しめたかもしれない。僕も、その1人ではある。でも、今のアニメ業界は高品質のアニメしか受け入れられなくなっているし、高品質でありながらシュールなギャグもある作品が劇的に増えている。今は2024年で、TVアニメ2期から7年経過しているのである。

それでもやっぱりそれなりにおもしろいのは『このすば』の持つポジティブな雰囲気なのだろうし、「シリアス展開が一切ない」というのが、根強いニーズを生み出しているのだと思う。

それにしても本作は、やけに無理矢理『このすば』っぽくしていた印象がある。キャラデザの崩し方も声優の演技も過剰に感じられた。それは僕が変わったからなのか、アニメ制作会社が変わった影響なのか、製作委員会の指示なのか。原作みたいなナチュラルさが欲しいところである。

原作小説を全部読んでみて思ったこと

2年ぐらい前から『このすば』の原作ラノベを読み進めて、最近刊行されたスピンオフの最新刊も読了した。ということで『このすば』の原作ラノベは基本的に全部読んでいる。個人的にお気に入りなのは『この仮面の悪魔に相談を!』で、バニルがめちゃくちゃおもしろい。

『このすば』も読んで、そのほかにも色々と小説を読んでいて思ったのだが、原作者の暁なつめ先生は、文章力がかなりあるのではないかと思う。純粋に考えて、文章だけで人を笑わせるのは、すごい才能だ。それに、文章だからこそできるギャグもちゃんと散りばめられている。

だから個人的にはアニメよりも原作小説の方が、圧倒的に好きである。ギャグ系ライトノベルを20巻以上書き続けた経験値は、伊達ではない。たしかにストーリーは、文学作品に比べたら圧倒的に幼稚なのかもしれないが、少なくとも「人を笑わせる」という意味では、読者の気持ちを大きく動かしているわけで、それはとてもすごいことだ。

それを踏まえてアニメを見てみると、やっぱり「もうちょっと頑張ってもいいのではないか」と思ってしまう。なぜ予算を投下しないのだろうか。回収期間のピークを過ぎた作品だからだろうか。

さいごに

個人的に『このすば』の4期は絶対にやると思う。めぐみんのスピンオフを丁寧に描いたということは、確実に9巻まではやりたいはずだ。『このすば』の収益力なら制作費も出せるはずなので、8巻・9巻を4期でやってしまうと思う。

個人的には8巻の方が楽しみだ。笑

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