【となりのトトロ感想】茶カーボンとノスタルジー

となりのトトロ

今回は『となりのトトロ』について語っていく。

『となりのトトロ』はスタジオジブリによるオリジナルアニメ映画で、1988年に上映された。

監督は宮崎駿が担当している。

目次

『となりのトトロ』の感想

ネタバレしてません。

茶カーボンに注目

以前、YouTubeでネットサーフィンしている時に、岡田斗司夫の動画を見かけて、『となりのトトロ』のキャラクターの輪郭線が茶色になっていることを知った。デジタル化した今となっては、キャラクターの輪郭線が黒色以外であることは珍しくない。例えば『ノーゲームノーライフ』の輪郭線は紫色だ。

だが『となりのトトロ』の放送当時はセルアニメが主流の時代だった。そのため茶カーボンを利用して、輪郭線を表現することになる。だが、茶カーボンは黒カーボンに比べて筆圧が必要であり、黒カーボンよりもコストが高い。そのため、制作コストが急増。しかも『となりのトトロ』は幼児でも見れるようなエピソードということもあり、映画館での興収も11.7億円で止まり、おそらく余裕で赤字になったと思う。

ただ、トトロのキャラクターグッズが飛ぶように売れているので長期的には余裕で黒字になり、金曜ロードショーでも常に高視聴率を記録する人気作となった。確かに僕も、ジブリといえばトトロを連想してしまう。

話がズレたが、輪郭線で茶カーボンを利用することで、暖かみのあるキャラクターが出来上がる。黒カーボンよりも暖色のイメージを与えるからだろう。それが背景の自然とマッチして、とにかく優しい世界観が出来上がる。それに加えて、『となりのトトロ』の世界では、互助の精神が根付いていたようにも思える。メイを探す時とか、当たり前のように近所の人が助けてくれたりした。そこに久石譲制作の楽曲が入ってくるので、それはもう素晴らしいことになる。

夏のノスタルジーを感じさせる楽曲たち

僕は、夏の暑い日を歩いていると、久石譲の『Summer』が自然と頭の中で流れる。それと『AIR』の『夏影』や、『ひぐらしのなく頃に』の『you』も流れてくる。それなりのアニヲタであれば、誰もが知る夏の名曲だろう。

そして僕はこれらの夏のBGMラインナップに『となりのトトロ』の劇伴も加えたいと思う。『となりのトトロ』の劇伴も、夏のノスタルジーを感じさせる素晴らしい曲だと思う。主題歌の『さんぽ』や『となりのトトロ』も良い。特に『となりのトトロ』は幼少期の頃の記憶を思い出して、なんだかジーンとくる。

夏といえば、湘南の海を想起させるアゲアゲの曲が注目されがちだけど、幼少期の夏休みのノスタルジーを感じさせる楽曲も大事にしていきたいなと思う。

『となりのトトロ』の評価

※個人的な評価です

作画93点
世界観・設定85点
ストーリー85点
演出85点
キャラ80点
音楽95点

作画

やはり茶カーボンについては高く評価するべきだと思う。輪郭線の色を変えるだけでこれだけの効果が出るというのは、大発見だったはずだ。実際に、現代アニメでも活用されている。

世界観・設定

夏のノスタルジーを感じさせる世界観だけど、実際は初夏の物語でもあるんだよね。笑

それと『となりのトトロ』を見ていると、デジタルデバイスなんて放り投げて自然と戯れるべきなんだよなぁとか思ってしまう。現代の子供たちって、外で遊んだりとかしなさそうだ。

ストーリー

90分にも満たない尺なので、割とあっさり鑑賞できる。それと久しぶりに見ると、母親とのエピソードでジーンと来る。親世代になったら、お父さんとかの目線でサツキとメイを見守るようにして視聴するんだろうなぁ。

演出

劇伴の使い方が秀逸だった。特にメイが中トトロと小トトロを追いかけるシーンと、劇伴のリズムがピッタリ合う演出が面白かった。これは現代アニメでも『からかい上手の高木さん3期』とかで活用されている演出だ。

キャラ

久しぶりにサツキとかメイとかトトロとかを見た。やっぱりトトロって人気出るキャラデザしてるよね。こんな生き物、どうやって思いつくのだろう。というかトトロって何の動物がモチーフ?

それとサツキの声は、『タッチ』の南ちゃんと同じ声優である日髙のり子が担当している。なんだか時代を感じる……。

音楽

音楽は先ほど述べた通り。ジブリ作品の中でも1番好きかもしれない。まだジブリ作品全部見てないけど。

さいごに

そういえば『となりのトトロ』の都市伝説が話題になってた気がする。「影がない!」みたいな。でもそれは実際に違くて、太陽の位置によって影を調整していることがよく分かる。例えば夏は太陽が高い位置にあるから、影は短くなる。けれども夕日になると太陽が低くなるから影が長くなる。

僕も日本中を旅しているからわかるけど、自然と共生すると太陽の位置を気にするようになる。「あ、あの高さだと◯時ぐらいだな」とか考えたりするものだ。そういう意味でも、部屋やビル群にこもらないで、外に飛び出して太陽をしっかり浴びるべきだなぁと思う。サツキとメイのように。

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